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海外テニス

通算50度目の対戦を制するのは?「一方的な展開になる可能性も」レジェンドが語るフェデラー対ジョコビッチの展望

内田暁

2020.01.30

西岡との3回戦では、試合を通してサービスゲームでの失点を僅か6ポイントに抑えたジョコビッチ。写真=山崎賢人(THE DIGEST写真部)

西岡との3回戦では、試合を通してサービスゲームでの失点を僅か6ポイントに抑えたジョコビッチ。写真=山崎賢人(THE DIGEST写真部)

「サービスは、考え方の変化が大きいように感じます。ゴラン(イバニセビッチ)と取り組み始めてから、セカンドサービスのスピードが上がった。恐らくは今まで以上にリスクをとり、サービスゲームを早く終えようとしているのでしょう。これは非常に大きな利点。体力の消耗を抑え、タンクに燃料を残したまま勝ち上がっていますから」

 このウッドブリッジの見立てを裏付けるのは、他ならぬイバニセビッチだ。
「ノバクが一番望んでいたのは、サービス、特にセカンドサービスの向上だった。今はセカンドでも、コンスタントに180~190キロ出ている。テクニックそのものを変えた訳ではないが、幾つかの細かな点を話し合い、それらが今かみ合ってきた」

 レジェンドコーチがそう言えば、ジョコビッチも、「このオフに、最も重点的に取り組んできたのがサービス。今は、自分のキャリアの中で最高のサービスが打てている」とまで明言する。実際に、昨年11月のデビスカップ、そして今大会の3回戦で対戦した西岡良仁は、「セカンドサービスでも180キロ以上を打たれると、返しても3球目で叩かれる。デ杯の時は違った展開だったので、あそこまで良いのは予想外でした」と、ジョコビッチの進化を実感していた。
 
 一方のフェデラーに関しては、ウッドブリッジは、好調時と比べフォアハンドの精度が低いと見る。「ロジャーの状態は、4回戦まで見る限りあまり良いとは言えなさそうです。特にフォアハンドの当たりが悪く、ミルマン戦では彼らしくないアンフォーストエラーが多かった。

 ノバクとの対戦では、フォアハンドの調子が上がらないと難しいでしょう。特に、ダウンザラインへのショット。このショットが戻ってこなければ、一方的な展開になる可能性もあると思います」

 ただし、フェデラーに優位に働く要素があれば、それは気候だと“殿堂入りプレーヤー”は言った。「この大会は、気候によってボールの飛び方もかなり変わってきます。寒くてボールが重くなるとロジャーに不利ですが、週末に向けて暑くなるようなので、それはロジャーに味方するでしょう」

 果たして、2人の50度目の対戦が、いかなる展開と結果になるのか――?
 いずれにしても、テニス史に永遠に名を残すであろう両雄の鍔迫り合いが、見逃せぬ一戦になるのは間違いない。

文●内田暁

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