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【テニスギア講座】ストリングを張り替えるタイミングはいつ? こんなシグナルが出たら要注意!<SMASH>

松尾高司

2025.04.19

各種ストリングの劣化の様子。ナイロン系モノフィラメント(左)は一番外側のコーティング層が剥がれると内部にもダメージが...。マルチフィラメント(中)は全体がつぶれ、ノッチングやほつれが生じる。ナチュラル(右)は牛腸繊維の断裂によるほつれが発生。写真:松尾高司

各種ストリングの劣化の様子。ナイロン系モノフィラメント(左)は一番外側のコーティング層が剥がれると内部にもダメージが...。マルチフィラメント(中)は全体がつぶれ、ノッチングやほつれが生じる。ナチュラル(右)は牛腸繊維の断裂によるほつれが発生。写真:松尾高司

 ラケットに張られたストリングを放っておくと、きれいなマス目がだんだんヨレヨレになります。ストリングは“全てが真っすぐ”であるのがオリジナルの最短状態。これがウネウネと曲がったままだと、それぞれのストリングが伸びた状態で放置され、さらなる伸縮性の低下を促進します。

 また、ストリングの交差部分に食い込みができ、ズレが戻りにくくなる「ノッチング」の影響もあります。食い込んだだけ細くなって弱くなるわけですから、ノッチが深くなっているのを発見したら、切れる前に張り替えましょう。

 またそうなるのを防ぐために、こまめに指でストリングを真っすぐに直すようにしたいですね。

 兆候はストリングの表面にも表れます。天然素材からできているナチュラルガットや、あるタイプのナイロン系マルチフィラメントなどの「ストリング表面のほつれ」がそれです。

 ナチュラルガットは牛の腸繊維を束ねたものですから、打球を繰り返すうちに、表面の繊維が断裂して、細い繊維がちぎれ、紐状にほつれてきます。

 極細繊維をストレートに束ねたナイロン系マルチフィラメントにも似た兆候が表れます。表面がほつれてきたら「そろそろ切れるかも」と察知し、思い切って張り替えましょう。
 
 ストリングには、伸縮性という物性的な「性能寿命」があります。伸縮性は、ボールを飛ばすためのバネのようなもので、伸びてしまうと性能的に機能しなくなります。ただ「切れていないだけ」です。

 伸縮性の維持期間は、ナチュラルガットが一番長く、次がナイロン系。最も短いのがポリエステル系で、張り上がった瞬間から一気に伸び始めますから、ポリエステル系を使うなら、頻繁な張り替えをする覚悟が必要です。

 また、ストリングの張り替え時期は、太さによっても違っています。同じ機種でも、細い方が早く伸び切ってしまい、太い方が伸びにくいものです。

 細いストリングは伸縮しやすい反面、伸縮しにくくなるのも早いので、感覚的に「よく飛ぶなっ」→「飛ばないなっ」と感じたら、張り替えを決断し、楽しく快適なテニス環境を作りましょう。

文●松尾高司(KAI project)
※『スマッシュ』2023年11月号より抜粋・再編集

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