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海外テニス

不振の穂積絵莉を全仏4強に導いた新たな師の助言。「自分を褒める言葉をノートに書く」ことで心が前向きに<SMASH>

内田暁

2025.06.08

「気持ちが充実していれば練習の質も上がり、スキルにも自信を持てる」と語る穂積。その自信が最近のプレーにも表れてきた(※写真は昨年のBJK杯)。(C)Getty Images

「気持ちが充実していれば練習の質も上がり、スキルにも自信を持てる」と語る穂積。その自信が最近のプレーにも表れてきた(※写真は昨年のBJK杯)。(C)Getty Images

 穂積/アイケリのペアが得意とするポイントパターンは、穂積が後衛でラリーを作り、アイケリが前でフェイントを入れつつ決める形。1~3回戦は、それがうまくハマった。

 4回戦のイリナ-カメリア・ベグ/ヤニナ・ウィックマイヤー戦は、小雨降るなか文字通りの泥試合となるも、それすら「グチャグチャした展開は嫌いではない」と前向き。陣形が崩れても考え、パートナーと意思を交わし、「カモン!」と叫んで己を鼓舞する。雨天中断を挟む難しい状況の中、6-4、6-3の勝利に「信じられない」と涙ぐんだ。

 準決勝はアンナ・ダニリナ/アレクサンドラ・クルニッチ組に7-6(5)、3-6、5-7で逆転負けを喫する。第3セット中盤は展開的に押していただけに、あまりに悔しい敗戦。

 ただ試合後の穂積の顔には、悔しさはありながらも、ある種の達成感も宿っていた。

「力を全部出し切れたなという感覚もありますし、出し切ったからこそ、自分の良いところも悪いところも、足りないところも見えてくる。この試合から学んで、もっともっとレベルアップしていきたいという気持ちもあります」
 
 苦しみの春から一転、初夏のパリで迎えた開花。その理由として「プレーと気持ち、どちらが大きいか」と問うと、セミファイナリストは「難しいなぁ」と小さくうなるも、こう続けた。

「気持ちの持ち方が、大きかったと思います。ジュニアの頃から、毎日一生懸命やるのが大事と言われてきましたが、その本当の意味を、多分少しずつ理解できてきた。それを毎日積み重ねることで、試合で全力を出せる時間が長くなるのも感じた。気持ちが充実していれば練習の質も上がり、スキルにも自信を持てるようになったと思います」

 敗戦に後ろを向くのではなく、「次」を心待ちにする言葉が並ぶ。それは、前向きに進む背を結果は必ず追いかけてくると、知っているからだ。

現地取材・文●内田暁

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