■「技術に関する目標」を立てるための3つのステップ
技術に関する目標であれば、どんな目標でも効果的な目標になるわけではありません。ここでポイントとなるのは、技術に関する目標が、結果目標の達成につながるものになっていること、目標を具体的な行動にまで落とし込めていることです。そのための目標設定の方法を、3つのステップで紹介していきます。
【ステップ①】
目指す位置にいる選手たちのプレーを分析する
まず重要になるのは、自分が目指す位置にいる選手たちのプレーをよく見て、分析することです。例えば、「来年の夏にある大会でベスト4に入る」という目標を立てたとしたら、その大会でいつも上位進出している選手たちのプレーをよく観察します。選手ごとにプレースタイルは異なっていると思いますが、このステージで戦うために共通して重要となる要素(例えば、決定力、安定感、フィジカル面の強さなど)を探していきます。
【ステップ②】
目標とのギャップを考え、取り組むべき課題を見つける
その上で、目標とするレベルの選手と自分が同等に戦うために必要になることを考えていきます。全てのショットの技術を向上させたいという気持ちもあるかもしれませんが、試合までの時間も、練習できる時間も限りがあるため、具体的にどの技術を、どう改善していくのか、焦点を絞ることも重要になります。
ここでポイントとなるのは、例えば「バックハンドを上達させる」という目標を立てる時、向上させるべきなのは、バックハンドの「安定感」なのか、「威力」なのかと、もう一歩具体的に考えていくことです。なぜなら、安定感を高めるために行なう練習と、威力を高めるために行なう練習は大きく異なるためです。
【ステップ③】
見つけた課題から日々取り組む行動を考える
このようなプロセスを経て、「バックハンドの安定感を向上させる」という課題を設定したとします。その上で、課題を解決するために、日頃行なう練習・トレーニングのメニューや、意識すべきポイントを考えていきます。
例えば、「バックサイドのクロスラリーで、20球連続でミスをしないという目標を設ける」ことや、「長いラリーになった時でも高い質のボールを打ち続けるために、1日15分のランニングを習慣化してみる」など、様々な目標が考えられます。いずれにしても、これらが自分自身で意識して取り組むことができる目標となっていることが重要になります。
【やってみよう!今日からできる実践へのヒント】
以下のステップで、技術に関する目標を立ててみましょう!
①自分の目指す位置にいる選手たちのプレーを分析する
②その選手たちと自分とのギャップを考え、取り組むべき課題を特定する
③課題をクリアするために日々取り組む具体的な行動を考える
解説=日置和暉
2000年生まれ。慶應義塾体育会庭球部を経て、慶應義塾大学大学院に進学。慶應義塾大学総合政策学部非常勤講師。プリンス契約コーチ。2023年、日本テニス学会研究奨励賞受賞。
解説=發田志音
2000年生まれ。慶應義塾体育会矢上部硬式庭球部を経て、東京大学大学院に進学。2018年、日本テニス学会研究奨励賞受賞。
構成●スマッシュ編集部
※スマッシュ2024年3号より抜粋・再編集
【画像】なかなか見られないトッププロの練習やテニス教室の様子
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技術に関する目標であれば、どんな目標でも効果的な目標になるわけではありません。ここでポイントとなるのは、技術に関する目標が、結果目標の達成につながるものになっていること、目標を具体的な行動にまで落とし込めていることです。そのための目標設定の方法を、3つのステップで紹介していきます。
【ステップ①】
目指す位置にいる選手たちのプレーを分析する
まず重要になるのは、自分が目指す位置にいる選手たちのプレーをよく見て、分析することです。例えば、「来年の夏にある大会でベスト4に入る」という目標を立てたとしたら、その大会でいつも上位進出している選手たちのプレーをよく観察します。選手ごとにプレースタイルは異なっていると思いますが、このステージで戦うために共通して重要となる要素(例えば、決定力、安定感、フィジカル面の強さなど)を探していきます。
【ステップ②】
目標とのギャップを考え、取り組むべき課題を見つける
その上で、目標とするレベルの選手と自分が同等に戦うために必要になることを考えていきます。全てのショットの技術を向上させたいという気持ちもあるかもしれませんが、試合までの時間も、練習できる時間も限りがあるため、具体的にどの技術を、どう改善していくのか、焦点を絞ることも重要になります。
ここでポイントとなるのは、例えば「バックハンドを上達させる」という目標を立てる時、向上させるべきなのは、バックハンドの「安定感」なのか、「威力」なのかと、もう一歩具体的に考えていくことです。なぜなら、安定感を高めるために行なう練習と、威力を高めるために行なう練習は大きく異なるためです。
【ステップ③】
見つけた課題から日々取り組む行動を考える
このようなプロセスを経て、「バックハンドの安定感を向上させる」という課題を設定したとします。その上で、課題を解決するために、日頃行なう練習・トレーニングのメニューや、意識すべきポイントを考えていきます。
例えば、「バックサイドのクロスラリーで、20球連続でミスをしないという目標を設ける」ことや、「長いラリーになった時でも高い質のボールを打ち続けるために、1日15分のランニングを習慣化してみる」など、様々な目標が考えられます。いずれにしても、これらが自分自身で意識して取り組むことができる目標となっていることが重要になります。
【やってみよう!今日からできる実践へのヒント】
以下のステップで、技術に関する目標を立ててみましょう!
①自分の目指す位置にいる選手たちのプレーを分析する
②その選手たちと自分とのギャップを考え、取り組むべき課題を特定する
③課題をクリアするために日々取り組む具体的な行動を考える
解説=日置和暉
2000年生まれ。慶應義塾体育会庭球部を経て、慶應義塾大学大学院に進学。慶應義塾大学総合政策学部非常勤講師。プリンス契約コーチ。2023年、日本テニス学会研究奨励賞受賞。
解説=發田志音
2000年生まれ。慶應義塾体育会矢上部硬式庭球部を経て、東京大学大学院に進学。2018年、日本テニス学会研究奨励賞受賞。
構成●スマッシュ編集部
※スマッシュ2024年3号より抜粋・再編集
【画像】なかなか見られないトッププロの練習やテニス教室の様子
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