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海外テニス

「全米とは比べられない」全仏のコロナ対策にズべレフ、錦織ら選手たちの反応は?【全仏テニス】

内田暁

2020.10.04

メディアがPCR検査を受けた際に渡されたキット。今大会では取材陣もかなり受け入れられるようになった。写真:内田暁

メディアがPCR検査を受けた際に渡されたキット。今大会では取材陣もかなり受け入れられるようになった。写真:内田暁

 シングルスで2回戦進出の西岡良仁は、大会を問わず「出なくて良いなら、今はツアーに行きたいくない」と、より率直だ。海外遠征に行った際には、その土地の文化や歴史、おいしい食事を堪能することも、西岡の活力の一つ。それができないバブル内は、いかに工夫を凝らしても「ストレスが溜まる」場所だ。もちろん、ポイント等の兼ね合いで行く選択を取らざるを得ないことも多いが、以前のように、遠征を楽しむ心境にはまだなれないという。

 一方で日比野菜緒のように、「ツアーにいられることが幸せ」と感じている選手も、決して少数派ではない。「テニスは、他の競技よりも早く国際大会を再開してくれた。成功させて、この先いろんなスポーツやイベントが行なわれていく先駆けになれば」との思いを口にした。
 
 また、予選に出場した奈良くるみは、「私は引きこもるのは好きなので、部屋着でウーバーイーツを頼んでボケーッとしているのもエンジョイしています」と照れ笑いを浮かべる。同じく予選出場の内藤祐希も、実戦を何より欲していたため、「ツアーに出られることが、うれしいの一言」と声を弾ませた。このあたりの捉え方や感覚は、選手個々の立場や性格も大きく影響していそうだ。

 なおやや余談にはなるが、PCRテストの鼻に綿棒を差し込む厳格さ(=綿棒をどれくらい奥まで入れるか)に関しては、「全仏が最も厳しい」で、選手たちの見解は一致している模様。

 予選では複数のコーチと選手に陽性者が出たものの、大会中日を迎えた時点で、本戦出場者からは感染者の出ていない全仏オープン。2週目からは車椅子部門に加え、全米ではキャンセルされた、ジュニア部門も開催される。

 全米よりも規模を広げたこの大会が、このまま混乱なく終えることができれば、それは確かに他のテニス大会のみならず、スポーツ界全体の希望や指標にもなりえそうだ。

取材・文●内田暁

【PHOTO】全仏オープン2020、錦織、西岡、日比野ら出場日本人選手のスナップ

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