専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
国内テニス

『SBCドリームテニスツアー・ファーストラウンド』優勝の菊地裕太!無名だった少年がなぜ強豪高経由で米大卒のプロになれたのか<SMASH>

内田暁

2023.07.31

米大学卒業後すぐに帰国して臨んだ大会で大きな一歩を踏み出した菊地。その視線の先にはグランドスラムと2028年ロス五輪も浮かぶ。写真:(C)SBCDREAMTENNIS/長浜功明

米大学卒業後すぐに帰国して臨んだ大会で大きな一歩を踏み出した菊地。その視線の先にはグランドスラムと2028年ロス五輪も浮かぶ。写真:(C)SBCDREAMTENNIS/長浜功明

 アメリカの大学では、恵まれた環境で、高校時代のTシャツがフィットしなくなるほどにフィジカルを大幅強化。

 同時に、世界に出れば小柄に類する身体で、勝利をつかみ取る術も習得した。

「僕の身長は175センチ。190センチや2メートルの選手と戦っていくには、色んなスキルや対応力を得ていく必要がありました」

 プレーの基軸は、高校時代から変わらずベースラインからの攻撃的スタイル。今はそこに、ボレーやロブなどのバリエーションが加わった。

 今回のSBCドリームテニスでも、菊地は持ち前の攻撃テニスで、予選ラウンドから負けなしで決勝に勝ち上がる。その頂上決戦の場で相対したのは、高校時代からのライバルである羽澤。菊地の成長を測るには、格好の試金石だった。
 
 果たして試合では、羽澤が得意とするネットプレーを、菊地が鋭いパッシングショットで封じる場面が幾度もあった。ドロップショットにも軽快なフットワークで追いつき、攻撃の起点へと変えていった。

「菊地くんの良いところは、早いタイミングでフラット系のショットを、フォア・バック両方から打ち分けられるところ。その良いところは高校時代から引き継ぎつつ、こっちが揺さぶりをかけても、あまり動じなかった。テニスがしっかりしているなと、対戦しながらすごく感じていました」

 それが6年ぶりの再戦で、羽澤が肌身で感じた菊地の成長だった。

 大学を卒業し、取るものもとりあえず帰国して出場した大会で、菊地はいきなり優勝し、プロとしての大きな一歩を踏み出した。

 当面は日本で調整しつつ、アメリカを拠点にすることも視野に入れているという。より良い環境と大きな器を求め、軽快なステップで「グランドスラムと、2028年のロサンゼルスオリンピック」へと進んでいく。

取材・文●内田暁

【画像】SBC Dream Tennis Tour 2022/Final Round | 優勝の清水悠太、桑田寛子ら上位入賞選手を一挙紹介!
 

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号