女子テニスツアーのWTA1000シリーズ「ナショナルバンク・オープン」(7月27日~8月7日/カナダ・モントリオール/ハードコート)は現地31日に大会5日目を迎え、シングルス3回戦に予選勝者で世界ランキング110位の伊藤あおいが登場。ノーシードで同51位のジェシカ・ボウサスマネイロ(スペイン)と対戦したが、6-4、5-7、3-6で敗れ、同大会初のベスト16進出はならなかった。
棒立ちに近い状態から繰り出されるフォアハンドのスライスをはじめ、軌道の高いムーンボール、巧みなネットプレーなどを織り交ぜる一風変わったプレースタイルで脚光を浴びている21歳の伊藤。初出場となった今大会は自称“へにょへにょテニス”で怒涛の快進撃を見せてきた。
予選2試合をいずれもフルセットで勝ち抜くと、本戦1回戦ではケイティ・ボリネッツ(アメリカ/同108位)を撃破し、四大大会に次ぐグレードを誇る「WTA1000シリーズ」での初勝利をゲット。そして2回戦では昨季だけで2度の四大大会決勝進出を果たし、今年5月の「イタリア国際」(クレーコート/WTA1000)で単複優勝を飾ったトップ10プレーヤーのジャスミン・パオリーニ(イタリア/同9位)を2-6、7-5、7-6(5)の逆転で破る大金星を挙げ、3回戦へ駒を進めていた。
22歳で格上のボウサスマネイロとのツアー初対決となった3回戦でも伊藤は持ち前の変則テニスで相手を“沼”に引きずり込んでいく。第3ゲームで先にサービスダウンを喫すも直後のゲームですぐにブレークバックに成功し、得意のフォアのスライスとムーンボールを生かした粘りのディフェンスでことごとくボウサスマネイロのミスを誘って4ゲームを連取。サービング・フォー・ザ・セットとなった第9ゲームは落としたものの、続く第10ゲームでは再び伊藤がスローテンポなラリーで相手のリズムを崩して3度目のブレークを奪い、6-4で第1セットを先取した。
しかし第2セットに入るとボウサスマネイロが負けじと反撃。第1ゲームで相手のアグレッシブなショットに押されていきなりリードを奪われた伊藤は、第6ゲームで必死のディフェンスを見せてブレークバックを果たしたものの、終盤の第11ゲームで痛い2度目のブレークを献上。そのまま5-7とされ、接戦の末に1セットオールに持ち込まれた。
勝負のファイナルセットでも伊藤は苦しい展開を強いられた。予選からの疲労も影響したのか、第1ゲームで2本のダブルフォールトを犯してブレークを許すと、その後は劣勢の中で相手に食らいついていくもボウサスマネイロの勢いを止められず。伊藤は3-5とリードされて迎えた第9ゲームでもブレークを喫し、2時間14分で悔しい逆転負けとなった。
それでも伊藤のアイデア溢れる独特なプレーが、パワーテニスが主流となっている女子ツアーに与えたインパクトは大きい。“へにょへにょテニス”で新風を吹き込んだ日本期待の21歳。今後のさらなる活躍が楽しみだ。
文●中村光佑
【画像】伸びて滑る伊藤あおいのフォアハンドスライス『30コマの超分解写真』
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予選2試合をいずれもフルセットで勝ち抜くと、本戦1回戦ではケイティ・ボリネッツ(アメリカ/同108位)を撃破し、四大大会に次ぐグレードを誇る「WTA1000シリーズ」での初勝利をゲット。そして2回戦では昨季だけで2度の四大大会決勝進出を果たし、今年5月の「イタリア国際」(クレーコート/WTA1000)で単複優勝を飾ったトップ10プレーヤーのジャスミン・パオリーニ(イタリア/同9位)を2-6、7-5、7-6(5)の逆転で破る大金星を挙げ、3回戦へ駒を進めていた。
22歳で格上のボウサスマネイロとのツアー初対決となった3回戦でも伊藤は持ち前の変則テニスで相手を“沼”に引きずり込んでいく。第3ゲームで先にサービスダウンを喫すも直後のゲームですぐにブレークバックに成功し、得意のフォアのスライスとムーンボールを生かした粘りのディフェンスでことごとくボウサスマネイロのミスを誘って4ゲームを連取。サービング・フォー・ザ・セットとなった第9ゲームは落としたものの、続く第10ゲームでは再び伊藤がスローテンポなラリーで相手のリズムを崩して3度目のブレークを奪い、6-4で第1セットを先取した。
しかし第2セットに入るとボウサスマネイロが負けじと反撃。第1ゲームで相手のアグレッシブなショットに押されていきなりリードを奪われた伊藤は、第6ゲームで必死のディフェンスを見せてブレークバックを果たしたものの、終盤の第11ゲームで痛い2度目のブレークを献上。そのまま5-7とされ、接戦の末に1セットオールに持ち込まれた。
勝負のファイナルセットでも伊藤は苦しい展開を強いられた。予選からの疲労も影響したのか、第1ゲームで2本のダブルフォールトを犯してブレークを許すと、その後は劣勢の中で相手に食らいついていくもボウサスマネイロの勢いを止められず。伊藤は3-5とリードされて迎えた第9ゲームでもブレークを喫し、2時間14分で悔しい逆転負けとなった。
それでも伊藤のアイデア溢れる独特なプレーが、パワーテニスが主流となっている女子ツアーに与えたインパクトは大きい。“へにょへにょテニス”で新風を吹き込んだ日本期待の21歳。今後のさらなる活躍が楽しみだ。
文●中村光佑
【画像】伸びて滑る伊藤あおいのフォアハンドスライス『30コマの超分解写真』
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