男子テニスツアーのマスターズ1000シリーズ「シンシナティ・オープン」(8月7日~18日/アメリカ・シンシナティ/ハードコート)は大会最終日の現地18日にシングルス決勝が行なわれ、ディフェンディングチャンピオンで世界ランキング1位のヤニック・シナー(イタリア)と2位のカルロス・アルカラス(スペイン)が対戦。シナーが第1セット途中で体調不良による棄権を表明し、アルカラスがツアー22勝目を飾った。
まさかの幕切れとなった。シンシナティ連覇に向けて順調に勝ち上がってきたシナーだったが、この日は炎天下の中で精彩を欠いた。第1セットで0-5とリードを許したところでドクターを呼び応急処置を行なったものの、プレー続行は不可能と判断。試合開始からわずか23分でリタイアを余儀なくされ、無念の準優勝となった。
表彰式でシナーは宿命のライバルとの決勝で途中棄権という結末を迎えてしまったことを観客に向けてこう謝罪した。「本当に申し訳ないです。昨日から体調が良くなくて、夜の間に回復するのではないかと期待していましたが、さらに悪化してしまいました。少なくとも少しは良い試合になるようにと思ってコートに立ちましたが、耐えられませんでした。本当にごめんなさい」
一方のアルカラスはこれで2025年のATPツアー最多となる今季6勝目をゲット。四大大会に次ぐグレードのマスターズ1000ではノバク・ジョコビッチ(セルビア/現7位)の40回に次ぎ、現役選手で2番目に多い8つ目のタイトルを獲得した。しかし表彰式では複雑な気持ちを吐露し、シナーに語りかけるようにこうコメントした。
「こういう形で優勝するのは本望ではありません。本当に申し訳ない気持ちです。今のあなた(シナー)の気持ちはよくわかります。これまで何度も言ってきたように、あなたは真のチャンピオンです。こういう状況から、いつも通りさらに強くなって戻ってくると信じています。それが本当のチャンピオンというものだと思います。ぜひまた強くなって戻ってきてください」
この結果、シナーのハードコートでの連勝は26でストップ。来る今季最後の四大大会「全米オープン」(8月24日~9月7日/アメリカ・ニューヨーク)でのタイトル防衛に向けて、短期間での回復が求められる。
ちなみに今年の全米でシナーは本戦開幕に先駆けて行なわれる混合ダブルス(8月19~20日)にも女子のカテリナ・シニアコワ(チェコ/複元1位/現2位)とのペアで出場を予定しており、現地19日にはアレクサンダー・ズベレフ/ベリンダ・ベンチッチ(ドイツ/スイス)との初戦を戦う予定だが、このまま体調が戻らなければ棄権を選択する可能性はある。試練の時を迎えている24歳の若き王者。いち早く万全の状態に戻せるかが注目される。
文●中村光佑
【動画】シナー対アルカラスの「シンシナティ・オープン」決勝ハイライト
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表彰式でシナーは宿命のライバルとの決勝で途中棄権という結末を迎えてしまったことを観客に向けてこう謝罪した。「本当に申し訳ないです。昨日から体調が良くなくて、夜の間に回復するのではないかと期待していましたが、さらに悪化してしまいました。少なくとも少しは良い試合になるようにと思ってコートに立ちましたが、耐えられませんでした。本当にごめんなさい」
一方のアルカラスはこれで2025年のATPツアー最多となる今季6勝目をゲット。四大大会に次ぐグレードのマスターズ1000ではノバク・ジョコビッチ(セルビア/現7位)の40回に次ぎ、現役選手で2番目に多い8つ目のタイトルを獲得した。しかし表彰式では複雑な気持ちを吐露し、シナーに語りかけるようにこうコメントした。
「こういう形で優勝するのは本望ではありません。本当に申し訳ない気持ちです。今のあなた(シナー)の気持ちはよくわかります。これまで何度も言ってきたように、あなたは真のチャンピオンです。こういう状況から、いつも通りさらに強くなって戻ってくると信じています。それが本当のチャンピオンというものだと思います。ぜひまた強くなって戻ってきてください」
この結果、シナーのハードコートでの連勝は26でストップ。来る今季最後の四大大会「全米オープン」(8月24日~9月7日/アメリカ・ニューヨーク)でのタイトル防衛に向けて、短期間での回復が求められる。
ちなみに今年の全米でシナーは本戦開幕に先駆けて行なわれる混合ダブルス(8月19~20日)にも女子のカテリナ・シニアコワ(チェコ/複元1位/現2位)とのペアで出場を予定しており、現地19日にはアレクサンダー・ズベレフ/ベリンダ・ベンチッチ(ドイツ/スイス)との初戦を戦う予定だが、このまま体調が戻らなければ棄権を選択する可能性はある。試練の時を迎えている24歳の若き王者。いち早く万全の状態に戻せるかが注目される。
文●中村光佑
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