テニス競技はメンタルによって大きく結果が左右されるスポーツです。しかし、メンタルを強化したいけれど「なんか大変そうだ」と敬遠している人はいないでしょうか。
本シリーズでは一般プレーヤーに向けて、伊達公子氏や浅越しのぶ氏といった日本テニス界をけん引したトップ選手の指導経験を持つメンタルアドバイザー椙棟紀男氏に、簡単に身に付くメンタルの強化方法を伝授してもらいます。
* * *
選手時代は、失敗すること、ミスをすることは悪いことだと思っていました。事実、大事な試合でのエラー(失敗)は命取りになりかねません。そのために地道な練習と基本の反復に時間を費やしてきたのです。また失敗はみっともない、カッコ悪いと思う感情があり、「無難にこなそう」と挑戦することをためらっていたのです。
しかし、指導者になって「失敗しない選手はうまくならない」と思うようになりました。新しいアイディアで挑戦すると、最初は失敗が生まれます。それでも誰かの後押しで、勇気を出して挑戦することで、一段上のステージに上がれます。すなわち「失敗」という経験の中から「学んで考えて気付くという成長」が得られるのです。
だから人が成長していく上では、失敗という概念は決して存在しないのです。「失敗してもいいよ」とは、勇気と工夫を凝らして挑戦し続けることを言います。
私たちは、うれしかったり成功したことより、つらかったことや失敗したことの方が、鮮明に記憶されています。人は誰でも大きな失敗、小さな失敗があったはずです。しかし、その時の対処方法で、その後の人生に大きく影響を与えることがあります。
ある人は、それが「トラウマ」となって臆病な行動を取るケースも考えられ、ある人は、そのことがキッカケで「殻を破る」ことができ、大きく成長するケースも考えられます。そこに大きく関与するのが「指導的立場の人」です。
今、その人たちに求められるのが「失敗を許容」して「挑戦を後押しする」というスタンスです。それにより「心理的安心感」が得られ、再挑戦ができるのです。
大切なのは、そのミスが守りに入っての失敗なのか、それとも、挑戦的な失敗なのかということです。その「失敗の仕方」に注意を向けてください。どうすれば改善できるか? 自分を変えることができるか? を考えること。それが「失敗は成功の母」と言われるゆえんです。
まずは成長の第一歩として、ちょっとだけ難しいことにチャレンジしてみましょう。脳は“ちょいムズ”に挑戦する時に一番力を発揮するのです。
構成●スマッシュ編集部
※スマッシュ2024年7月号から抜粋・再編集
【画像】強靭なメンタルを持つトッププロたちの練習の様子
【関連記事】1日3分間のメンタル強化法 第46回、試合で力を出し切るための「3つの準備」――戦略・戦術・技術を整理しよう<SMASH>
【関連記事】1日3分間のメンタル強化法 第45回、思い込みや恐れを手放し、“自分の殻”を打ち破ろう<SMASH>
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選手時代は、失敗すること、ミスをすることは悪いことだと思っていました。事実、大事な試合でのエラー(失敗)は命取りになりかねません。そのために地道な練習と基本の反復に時間を費やしてきたのです。また失敗はみっともない、カッコ悪いと思う感情があり、「無難にこなそう」と挑戦することをためらっていたのです。
しかし、指導者になって「失敗しない選手はうまくならない」と思うようになりました。新しいアイディアで挑戦すると、最初は失敗が生まれます。それでも誰かの後押しで、勇気を出して挑戦することで、一段上のステージに上がれます。すなわち「失敗」という経験の中から「学んで考えて気付くという成長」が得られるのです。
だから人が成長していく上では、失敗という概念は決して存在しないのです。「失敗してもいいよ」とは、勇気と工夫を凝らして挑戦し続けることを言います。
私たちは、うれしかったり成功したことより、つらかったことや失敗したことの方が、鮮明に記憶されています。人は誰でも大きな失敗、小さな失敗があったはずです。しかし、その時の対処方法で、その後の人生に大きく影響を与えることがあります。
ある人は、それが「トラウマ」となって臆病な行動を取るケースも考えられ、ある人は、そのことがキッカケで「殻を破る」ことができ、大きく成長するケースも考えられます。そこに大きく関与するのが「指導的立場の人」です。
今、その人たちに求められるのが「失敗を許容」して「挑戦を後押しする」というスタンスです。それにより「心理的安心感」が得られ、再挑戦ができるのです。
大切なのは、そのミスが守りに入っての失敗なのか、それとも、挑戦的な失敗なのかということです。その「失敗の仕方」に注意を向けてください。どうすれば改善できるか? 自分を変えることができるか? を考えること。それが「失敗は成功の母」と言われるゆえんです。
まずは成長の第一歩として、ちょっとだけ難しいことにチャレンジしてみましょう。脳は“ちょいムズ”に挑戦する時に一番力を発揮するのです。
構成●スマッシュ編集部
※スマッシュ2024年7月号から抜粋・再編集
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