今シーズン最後のテニス四大大会である全米オープンが、24日にニューヨーク・フラッシングメドウで開幕。日本勢では、内島萌夏(世界ランキング94位)と柴原瑛菜(同128位)が初日に登場した。
オルガ・ダニロビッチ(セルビア/同39位)と対戦した内島は、計7本のマッチポイントを凌ぎ、7-6(2)、4-6、7-6(9)で薄氷を踏む涙の勝利。一方、予選を突破し本戦入りした柴原は、2021年全米優勝者のエマ・ラドゥカヌ(イギリス/同36位)に1-6、2-6で敗れた。
長身のダニロビッチの左腕から放たれたセカンドサーブは、電子ジャッジの「アウト」の声を待つまでもなく、サービスラインを大きく割った――。
3時間9分に及ぶ熱闘の唐突な幕切れに、勝者は喜びの表出も控えめに、ネットに歩み対戦相手と握手を交わす。だが次の瞬間にはダムが決壊したかのように、こみ上げる感情が両の目からあふれ出た。しゃがみこみ肩を震わせた彼女は、立ち上がり四方に頭を下げると、コートサイドへと駆けていく。その先にはコーチや家族ら、彼女を支え続けた人々の姿があった。
「勝って泣いたのは、たぶん初めてかも……」
試合後に彼女は、少し気恥ずかしそうに笑った。
今回の全米オープンを内島は、かつてないほどの苦境の中で迎えていた。シーズン序盤は、世界3位のジェシカ・ペグラ(アメリカ)を破るなど好調。だが5月にヒザを痛めたのを機に、歯車が狂いだす。痛みがある中での負けは、まだ納得がいく。だがケガが癒えても二つ負け、三つ負け……と敗戦が重なると、自信が急激にぐらついた。
それでも彼女は逃げるのではなく、いつも以上にテニスとの距離感を詰める。
「自分の試合も、他の選手の試合や、特に日本人選手は、たくさん見るようにしました」
その姿勢は今大会の予選期間中も、変わらなかったという。
ダニロビッチ戦では、それら取り組みの成果と連敗中ゆえの疑心が、モザイク状に入り乱れた。第1セットはサービスに手ごたえを覚え、タイブレークで奪取。だが2セットはそのサービスが乱れ、最後もダブルフォールトで落とした。
オルガ・ダニロビッチ(セルビア/同39位)と対戦した内島は、計7本のマッチポイントを凌ぎ、7-6(2)、4-6、7-6(9)で薄氷を踏む涙の勝利。一方、予選を突破し本戦入りした柴原は、2021年全米優勝者のエマ・ラドゥカヌ(イギリス/同36位)に1-6、2-6で敗れた。
長身のダニロビッチの左腕から放たれたセカンドサーブは、電子ジャッジの「アウト」の声を待つまでもなく、サービスラインを大きく割った――。
3時間9分に及ぶ熱闘の唐突な幕切れに、勝者は喜びの表出も控えめに、ネットに歩み対戦相手と握手を交わす。だが次の瞬間にはダムが決壊したかのように、こみ上げる感情が両の目からあふれ出た。しゃがみこみ肩を震わせた彼女は、立ち上がり四方に頭を下げると、コートサイドへと駆けていく。その先にはコーチや家族ら、彼女を支え続けた人々の姿があった。
「勝って泣いたのは、たぶん初めてかも……」
試合後に彼女は、少し気恥ずかしそうに笑った。
今回の全米オープンを内島は、かつてないほどの苦境の中で迎えていた。シーズン序盤は、世界3位のジェシカ・ペグラ(アメリカ)を破るなど好調。だが5月にヒザを痛めたのを機に、歯車が狂いだす。痛みがある中での負けは、まだ納得がいく。だがケガが癒えても二つ負け、三つ負け……と敗戦が重なると、自信が急激にぐらついた。
それでも彼女は逃げるのではなく、いつも以上にテニスとの距離感を詰める。
「自分の試合も、他の選手の試合や、特に日本人選手は、たくさん見るようにしました」
その姿勢は今大会の予選期間中も、変わらなかったという。
ダニロビッチ戦では、それら取り組みの成果と連敗中ゆえの疑心が、モザイク状に入り乱れた。第1セットはサービスに手ごたえを覚え、タイブレークで奪取。だが2セットはそのサービスが乱れ、最後もダブルフォールトで落とした。