専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
海外テニス

内島萌夏、全米オープン初戦で7本のマッチポイントを凌ぎ涙の勝利!「最後まで力を出し切ることを意識しました」<SMASH>

内田暁

2025.08.25

今年の全仏から9大会連続で初戦敗退を喫していた内島萌夏だったが、全米では追い込まれながらも驚異的な粘りを見せて勝利を引き寄せ2回戦へ駒を進めた。(C)Getty Images

今年の全仏から9大会連続で初戦敗退を喫していた内島萌夏だったが、全米では追い込まれながらも驚異的な粘りを見せて勝利を引き寄せ2回戦へ駒を進めた。(C)Getty Images

 今シーズン最後のテニス四大大会である全米オープンが、24日にニューヨーク・フラッシングメドウで開幕。日本勢では、内島萌夏(世界ランキング94位)と柴原瑛菜(同128位)が初日に登場した。

 オルガ・ダニロビッチ(セルビア/同39位)と対戦した内島は、計7本のマッチポイントを凌ぎ、7-6(2)、4-6、7-6(9)で薄氷を踏む涙の勝利。一方、予選を突破し本戦入りした柴原は、2021年全米優勝者のエマ・ラドゥカヌ(イギリス/同36位)に1-6、2-6で敗れた。

 長身のダニロビッチの左腕から放たれたセカンドサーブは、電子ジャッジの「アウト」の声を待つまでもなく、サービスラインを大きく割った――。

 3時間9分に及ぶ熱闘の唐突な幕切れに、勝者は喜びの表出も控えめに、ネットに歩み対戦相手と握手を交わす。だが次の瞬間にはダムが決壊したかのように、こみ上げる感情が両の目からあふれ出た。しゃがみこみ肩を震わせた彼女は、立ち上がり四方に頭を下げると、コートサイドへと駆けていく。その先にはコーチや家族ら、彼女を支え続けた人々の姿があった。

「勝って泣いたのは、たぶん初めてかも……」

 試合後に彼女は、少し気恥ずかしそうに笑った。
 
 今回の全米オープンを内島は、かつてないほどの苦境の中で迎えていた。シーズン序盤は、世界3位のジェシカ・ペグラ(アメリカ)を破るなど好調。だが5月にヒザを痛めたのを機に、歯車が狂いだす。痛みがある中での負けは、まだ納得がいく。だがケガが癒えても二つ負け、三つ負け……と敗戦が重なると、自信が急激にぐらついた。

 それでも彼女は逃げるのではなく、いつも以上にテニスとの距離感を詰める。

「自分の試合も、他の選手の試合や、特に日本人選手は、たくさん見るようにしました」

 その姿勢は今大会の予選期間中も、変わらなかったという。

 ダニロビッチ戦では、それら取り組みの成果と連敗中ゆえの疑心が、モザイク状に入り乱れた。第1セットはサービスに手ごたえを覚え、タイブレークで奪取。だが2セットはそのサービスが乱れ、最後もダブルフォールトで落とした。
 
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号

  • soccer_digest

    8月8日(金)発売!

    定価:800円 (税込)
  • world_soccer_digest

    8月21日(木)発売

    定価:980円 (税込)
  • smash

    8月21日(木)発売

    定価:800円 (税込)
  • dunkshot

    8月25日(月)発売

    定価:1100円 (税込)
  • slugger

    7月24日(木)発売

    定価:1100円 (税込)