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海外テニス

「通用する感覚あった」と望月慎太郎。世界8位デミノーが「嵐を凌ぐようだった」と振り返る、スコアに表れない激闘<SMASH>

内田暁

2025.08.30

早いタイミングで攻め立てた望月慎太郎(左)は、デミノー(右)を「相当、我慢させていたところもあった」と手応えを語る。(C)Getty Images

早いタイミングで攻め立てた望月慎太郎(左)は、デミノー(右)を「相当、我慢させていたところもあった」と手応えを語る。(C)Getty Images

 試合最初の相手サービスゲームで、いきなり2度のブレークチャンスを手にした。その後も相手サービスゲームで立て続けに、3連続ブレークの大好機にも至った。

 ただ……、最後の1本が、なかなか決まらない。いや、決めさせてもらえなかったというべきなのだろうか。

 テニス四大大会「全米オープン」男子2回戦の、対アレックス・デミノー戦。予選上がりの望月慎太郎は、第8シード相手に、痛快ながらも、もどかしい攻防を繰り広げていた。

 戦いの舞台となった“コート17”は、数字こそ大きいが、会場で4番目の観客収容数を誇るスタジアム。そのスタンドに多くのオーストラリアファンが詰め掛けていたのは、デミノーの人気のみならず、直前に行なわれていたのがダリア・カサキナの試合だったことも大きい。

 カサキナは、今年春にオーストラリアの永住権を獲得し、同国の国旗の下にプレーし始めたばかり。そのカサキナが、ファイナルセットのタイブレークにもつれ込む大熱戦を演じたため、オーストラリアファンのボルテージも最高潮に。まさに“場が温まった”状態で迎えたのが、デミノー対望月戦だった。
 
 そのオージー(オーストラリア人)たちの興奮の声を、望月は瞬時に驚きのため息に変えて見せる。ネットすれすれを越える低い軌道のショットでデミノーを左右に振り、オープンコートに早いタイミングでウイナーを叩き込んだ。相手の強打の跳ね際をフォアで捉えて逆クロスに打ち返すと、一瞬の迷いもなくネットに詰め、軽やかにボレーを決める。

 昨今のツアーでは、なかなか見ることのないスタイルとリズムに、デミノーは明らかにタイミングをつかみあぐねる。スタンドの戸惑いもまといながら、激しいラリー戦で試合序盤は進んでいった。

 ただ10本のブレークポイントがありながら、スコアに刻まれる数字は並走状態。結果的に、第6ゲームでミスを重ね失ったあたりから、相手に流れが行った。

 第2セット序盤では、望月がこの試合初ブレーク。ただそこからまた、ミスが重なる時間帯が生まれた。特に目立ったのが、フォアがネットにかかる場面。デミノーは明らかに、望月のフォアサイドに浅いボールを集め、ミスを誘っていた。終わってみれば、6-2、6-4、6-2で勝者はデミノー。試合時間は、きっかり2時間だった。
 
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