腕に貼られた白い絆創膏の画像には、「5日間で2度のアンチドーピング検査があり、毎回同じ腕から採取された」のメッセージとともに、涙を流した3つの絵文字が並んだ。
これは大坂なおみが9月12日に自身のインスタグラム(@naomiosaka)のストーリーズ(24時間で自動消去されるポスト)に投稿した画像で、自身が短期間で2度にわたりアンチドーピング検査による採血を受けたことを伝えたものである。
今夏、大坂は久しぶりに躍動した。全米オープンの前哨戦「ナショナルバンク・オープン」(7月27日~8月7日/カナダ・モントリオール)では準優勝。惜しくもタイトルは地元カナダの18歳(大会時)ビクトリア・エムボコに譲ったものの、四大大会に次ぐグレードを誇るWTA1000大会で決勝進出を果たしたのは、22年3月の「マイアミ・オープン」(アメリカ・マイアミ)以来約3年半ぶりだった。
そして今回の「全米オープン」(8月25日~9月7日/アメリカ・ニューヨーク)では、本大会5年ぶりの4強入りを果たした。しかも3回戦からは、ダリア・カサキナ(世界ランキング18位オーストラリア)、ココ・ガウフ(同3位/アメリカ)、カロリーナ・ムチョバ(同13位/チェコ)と、上位選手を次々と破っての4強入りだ。そうした活躍に対して疑いの目を向けたわけではないだろうが、結果として5日間で2度のアンチドーピング検査が実施されたのである。
ただ大坂が躍動したのはそれなりの理由があるようだ。例えば大幅に改善されたフィジカルは、今年2月にチーム入りしたフィットネストレーナーの下で徹底的に鍛えあげた。だから今回の全米ではパワーアップしたスタミナに加えて、フットワークも格段に向上した。
そして最も好影響を及ぼしているのが、8月に招聘した新コーチのトーマス・ビクトロウスキ氏(ポーランド)の存在だ。それまでの大坂はどちらかというと「力で相手をねじ伏せる」戦い方を好んだが、かつて元女王イガ・シフィオンテク(現2位/ポーランド)を指導していたビクトロウスキ氏の下では、より戦略的に戦った。ラリー戦では無理をせずに高低差のあるショットを左右に打ち分けるなど大坂はクレバーなテニスを貫いたのである。
そうしたことがシンクロして今回の「夏の大躍進」が生まれたのであろう。準決勝で敗れた大坂は試合後の会見で「全力を出し尽くしたから悲しいとは思っていない。むしろこの結果は励みになっている。もっと練習して、もっと強くなりたい。また全力で挑戦し、どうなるか見てみたい」と自身の進むべき道を見据えることができた。
アンチドーピング検査は選手に偏りなく行なわれるが、特に強い選手や記録が注目される選手ほど回数が多い傾向にあるという。だとするならば、5日間で2度にわたる採血を終えて貼られた腕の絆創膏は、彼女の活躍の証なのかもしれない。
構成●スマッシュ編集部
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これは大坂なおみが9月12日に自身のインスタグラム(@naomiosaka)のストーリーズ(24時間で自動消去されるポスト)に投稿した画像で、自身が短期間で2度にわたりアンチドーピング検査による採血を受けたことを伝えたものである。
今夏、大坂は久しぶりに躍動した。全米オープンの前哨戦「ナショナルバンク・オープン」(7月27日~8月7日/カナダ・モントリオール)では準優勝。惜しくもタイトルは地元カナダの18歳(大会時)ビクトリア・エムボコに譲ったものの、四大大会に次ぐグレードを誇るWTA1000大会で決勝進出を果たしたのは、22年3月の「マイアミ・オープン」(アメリカ・マイアミ)以来約3年半ぶりだった。
そして今回の「全米オープン」(8月25日~9月7日/アメリカ・ニューヨーク)では、本大会5年ぶりの4強入りを果たした。しかも3回戦からは、ダリア・カサキナ(世界ランキング18位オーストラリア)、ココ・ガウフ(同3位/アメリカ)、カロリーナ・ムチョバ(同13位/チェコ)と、上位選手を次々と破っての4強入りだ。そうした活躍に対して疑いの目を向けたわけではないだろうが、結果として5日間で2度のアンチドーピング検査が実施されたのである。
ただ大坂が躍動したのはそれなりの理由があるようだ。例えば大幅に改善されたフィジカルは、今年2月にチーム入りしたフィットネストレーナーの下で徹底的に鍛えあげた。だから今回の全米ではパワーアップしたスタミナに加えて、フットワークも格段に向上した。
そして最も好影響を及ぼしているのが、8月に招聘した新コーチのトーマス・ビクトロウスキ氏(ポーランド)の存在だ。それまでの大坂はどちらかというと「力で相手をねじ伏せる」戦い方を好んだが、かつて元女王イガ・シフィオンテク(現2位/ポーランド)を指導していたビクトロウスキ氏の下では、より戦略的に戦った。ラリー戦では無理をせずに高低差のあるショットを左右に打ち分けるなど大坂はクレバーなテニスを貫いたのである。
そうしたことがシンクロして今回の「夏の大躍進」が生まれたのであろう。準決勝で敗れた大坂は試合後の会見で「全力を出し尽くしたから悲しいとは思っていない。むしろこの結果は励みになっている。もっと練習して、もっと強くなりたい。また全力で挑戦し、どうなるか見てみたい」と自身の進むべき道を見据えることができた。
アンチドーピング検査は選手に偏りなく行なわれるが、特に強い選手や記録が注目される選手ほど回数が多い傾向にあるという。だとするならば、5日間で2度にわたる採血を終えて貼られた腕の絆創膏は、彼女の活躍の証なのかもしれない。
構成●スマッシュ編集部
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