どうすればテニスで一段上のステージへ行けるのだろうか?日々練習に打ち込み、試合にも出場している方であれば、誰でも一度は思うことでしょう。
この謎に迫るべく、飛躍的に競技成績が向上する現象を「ブレークスルー」と名付け、過去にブレークスルーの経験があり、全国大会で上位進出経験のある8名の選手にインタビューを行ない、その内容を徹底分析しました。
その結果、多くの選手が共通してブレークスルーのために重要だと感じている事柄が浮かび上がってきました。まず欠かせないのは、練習の質を高め、競技力を継続的に高めていくことです。それに加え、日々の練習に打ち込むための土台となる、高いモチベーションを保ち続けること、身につけた実力を試合で発揮できるようになることも重要です。インタビューを通して、これらを実現するために選手が行なっている具体的な工夫や実践も明らかになりました。
第6回は、継続的に成長するために重要となる「格上選手との練習機会を作ること」について解説していきます。

■目に見えやすい練習の「量」、目に見えにくい練習の「質」
突然ですが、皆さんの周りで「同じくらい練習しているのに、驚くほど速く上達している人」を見かけませんか?そのような人は、練習量だけでなく、練習の「質」にもこだわりを持っていることが多いです。
練習量に関しては、「あの選手はたくさん練習している」と外から見てもよくわかります。一方、練習の質に関しては、外から選手を見ても、その質が高いのか低いのかわかりにくいものです。
私たちもインタビューをする中で、選手が練習の際に意識していることを聞き、「そんなことを考えながら練習しているのか!」という驚きと発見の連続でした。このように、「どのくらい練習するか」といった視点だけでなく、「どのように練習するか」といった視点も非常に大切であり、一回一回の質の高い練習が、長期的には大きな差を生むことになります。
■質の高い練習の原則
それでは、練習の質を高めるにはどうすれば良いのでしょうか?スポーツ、音楽、芸術などの分野の一流パフォーマーに関する研究では、質の高い練習にいくつかの共通点があることが示されています。ここでは、その中から特に重要な3つのポイントを取り上げます。
1つ目は、「明確な目的があること」です。ラリー練習をする際、ただ何となくボールを打つのではなく、「相手を下げるような深いボールを打つ」や、「ボールを潰すイメージで、厚い当たりでボールを打つ」といったように、目的を意識しながら練習に臨むことが大切です。
2つ目は、「フィードバックがあること」です。自分のプレーに対して、コーチやチームメイトからアドバイスを受けることはこれにあたります。
3つ目は、「コンフォートゾーン(ストレスや不安を感じずに過ごせる安全領域)から少し飛び出すこと」です。つまり、自分にとって程よい負荷のかかった練習に取り組むことが大切だということです。
「負荷」と聞いてまず思い浮かぶのは、「体力的にキツい…」といった「身体への負荷」でしょう。しかし、「どうすればポイントを取れるか?」、「どうすればより良いボールが打てるか?」などを考える「頭への負荷」や、「ミスできない!」といった緊張感による「心への負荷」も含まれます。こうした様々な種類の負荷がかかること、その負荷が高すぎず低すぎない、程よい水準であることが、質の高い練習を実現するうえで重要になります。
この謎に迫るべく、飛躍的に競技成績が向上する現象を「ブレークスルー」と名付け、過去にブレークスルーの経験があり、全国大会で上位進出経験のある8名の選手にインタビューを行ない、その内容を徹底分析しました。
その結果、多くの選手が共通してブレークスルーのために重要だと感じている事柄が浮かび上がってきました。まず欠かせないのは、練習の質を高め、競技力を継続的に高めていくことです。それに加え、日々の練習に打ち込むための土台となる、高いモチベーションを保ち続けること、身につけた実力を試合で発揮できるようになることも重要です。インタビューを通して、これらを実現するために選手が行なっている具体的な工夫や実践も明らかになりました。
第6回は、継続的に成長するために重要となる「格上選手との練習機会を作ること」について解説していきます。

■目に見えやすい練習の「量」、目に見えにくい練習の「質」
突然ですが、皆さんの周りで「同じくらい練習しているのに、驚くほど速く上達している人」を見かけませんか?そのような人は、練習量だけでなく、練習の「質」にもこだわりを持っていることが多いです。
練習量に関しては、「あの選手はたくさん練習している」と外から見てもよくわかります。一方、練習の質に関しては、外から選手を見ても、その質が高いのか低いのかわかりにくいものです。
私たちもインタビューをする中で、選手が練習の際に意識していることを聞き、「そんなことを考えながら練習しているのか!」という驚きと発見の連続でした。このように、「どのくらい練習するか」といった視点だけでなく、「どのように練習するか」といった視点も非常に大切であり、一回一回の質の高い練習が、長期的には大きな差を生むことになります。
■質の高い練習の原則
それでは、練習の質を高めるにはどうすれば良いのでしょうか?スポーツ、音楽、芸術などの分野の一流パフォーマーに関する研究では、質の高い練習にいくつかの共通点があることが示されています。ここでは、その中から特に重要な3つのポイントを取り上げます。
1つ目は、「明確な目的があること」です。ラリー練習をする際、ただ何となくボールを打つのではなく、「相手を下げるような深いボールを打つ」や、「ボールを潰すイメージで、厚い当たりでボールを打つ」といったように、目的を意識しながら練習に臨むことが大切です。
2つ目は、「フィードバックがあること」です。自分のプレーに対して、コーチやチームメイトからアドバイスを受けることはこれにあたります。
3つ目は、「コンフォートゾーン(ストレスや不安を感じずに過ごせる安全領域)から少し飛び出すこと」です。つまり、自分にとって程よい負荷のかかった練習に取り組むことが大切だということです。
「負荷」と聞いてまず思い浮かぶのは、「体力的にキツい…」といった「身体への負荷」でしょう。しかし、「どうすればポイントを取れるか?」、「どうすればより良いボールが打てるか?」などを考える「頭への負荷」や、「ミスできない!」といった緊張感による「心への負荷」も含まれます。こうした様々な種類の負荷がかかること、その負荷が高すぎず低すぎない、程よい水準であることが、質の高い練習を実現するうえで重要になります。




