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海外テニス

【伊達公子】コーチに何を求めるかを明確にしておくことが失敗しない秘訣<SMASH>

伊達公子

2025.10.03

「選手にとってもコーチを変えることは大きな労力が必要」と言う伊達公子さん。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

「選手にとってもコーチを変えることは大きな労力が必要」と言う伊達公子さん。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

 近年のテニス界ではコーチを頻繁に変える選手が増えてきています。もちろん、前向きなコーチ変更もありますが、うまくいかずに変える場合もあります。

 周りの人からの勧めでコーチを依頼したけれど、思い描いていたのとはズレがあったり、最初の頃は新鮮さもあって調子が良くても、試合が重なり神経が高ぶる状態になると、違うなと感じることもあるのだと思います。

 ただ、選手にとってもコーチを変えることは大きな労力が必要なことは確かです。1回で相性の良い相手と組めるのであれば、それに越したことはありません。そのためには、コーチに何を求めているかを、最初から明確にしておくことです。

 若い選手だと、自分が何をコーチに求めているかが具体的にわからず、多くを期待しすぎることもあります。今の環境をなんとなく変えたいというぐらいの、ぼやっとした感じだと、いいのか悪いのかもわからず、感情だけで決断することもあるでしょう。

 コーチに求めるものは人によって違いますが、明確であることは大事です。私の場合、コーチを選ぶ基準は「一緒にいて疲れない人」でした。あとは、ヒッティングができるか、できない場合は練習相手を探してほしいなど、求めることはトライアルをする前に話していました。過去に1大会で契約終了ということも見たことがあります。事前の意志の疎通は本当に大事なのです。
 
 コーチをあまり変えない人もいます。本当にお互いの信頼度が強いケースと契約を終えることを伝えたり、もめたりするより継続する方を選び、完全にぶつかり合うことを避けるケースもあります。選手は心のバリアを持っていることが多く、コーチと距離感をうまく保てるタイプと言えるでしょう。

 コーチとの関係で何が気がかりで変更したいかにもよります。例えば、戦術的な取り組みが違うならまずは話し合いの中で、それぞれが目指し求めることを再確認するべきですが、それでも平行線ならば継続は難しいでしょう。

 しかし、共に行動するのが苦手という場合なら、対処法があります。外国人のコーチには多いのですが、一緒に食事はしないとか、コートだけしか一緒にいないなど、距離感をうまくすることで関係性にも変化が生まれて継続できる可能性もあります。

 頻繁にコーチを変える選手の中には、ずっと同じコーチよりは、コーチを変えることでリフレッシュできてツアーを回れるというタイプもいます。どれが正解というものはありませんが、コーチを変えることは、強くなる、結果を出すための手段であるので決して悪いことではありません。良い空気感がない状態を引きずるよりも変化を求め、相性の良いコーチと組むことが成長につながることは間違いありません。

文●伊達公子
撮影協力/株式会社SIXINCH.ジャパン

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