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海外テニス

元世界8位カサキナが“心の限界”を明かし今季終了を報告。来季へ向け「元気に復帰し全力を尽くす」<SMASH>

中村光佑

2025.10.07

カサキナが心身の疲労を理由に今季終了を発表。休養で力を取り戻し、来季の復帰に意欲を示した。(C)Getty Images

カサキナが心身の疲労を理由に今季終了を発表。休養で力を取り戻し、来季の復帰に意欲を示した。(C)Getty Images

 女子テニス元世界ランキング8位のダリア・カサキナ(オーストラリア/現19位)が自身の公式SNSで声明を投稿し、一足早くシーズンを終了することを報告した。

 ベスト16に進出した6月の「全仏オープン」(フランス・パリ/クレーコート/四大大会)以降は先日の「中国オープン」(中国・北京/ハード/WTA1000)を含め、出場9大会のうち6大会で初戦敗退を喫すなど苦戦が続いていた28歳のカサキナ。今回の決断については「精神的な休息が必要」と理由を説明しており、「簡単ではなかった」今季を振り返りつつ、長く抱えてきた苦悩をこう綴っている。

「2025年は、自分に『大丈夫』と言い聞かせてきた1年でした。でも実際は長い間、大丈夫ではありませんでしたし、それは結果やパフォーマンスにも表れていました」

「私は自分の気持ちを隠してきました。『文句を言っている』、『弱い』、『神様に感謝していない』『プロテニス選手としての素晴らしい人生を楽しめていない』などと思われたくなかったのです。でも本当のところは限界に達していて、今はもうプレーを続けられませんし、休む必要があります。ツアーでの単調な日々や結果へのプレッシャー、(みんなには申し訳ないですが)変わり映えのない人々、この生活に伴う全てからの休息が必要です」
 
 カサキナといえば、今年初頭に出身国のロシアからオーストラリアに国籍を変更し、現在はツアーでもオーストラリア人選手としてプレーしている。しかし国籍変更に伴う「精神的・感情的ストレス」は予想以上に大きかったそうで、長く両親に会えていないこと(父とは4年間疎遠)やオーストラリアで行なわれる全ての大会に出場する権利を勝ち取るための終わりなき戦い、さらにはツアーの過密スケジュールも相まって、心身の疲労がピークに達してしまったとのことだ。

「あまりにもやるべきことが多すぎます。世界のトップ選手たちと競いながら、女性として耐え、受け入れられるものには限度というものがあります。もしこれで私が弱いと思われるなら、それでも構いません。事実、今の私は弱さを認めざるを得ません」

 それでも決断自体に後悔はない様子。見据えるのは来シーズンでの再起だ。最後は次のように締めくくった。

「しかし、私は自分が強いことを知っています。物事から距離を置いて充電し、力を取り戻すことで、さらに強くなれるはずです。ようやく、自分の心、頭、身体の声に耳を傾ける時が来ました。私は大丈夫です。2026年には元気に復帰し、また全力を尽くすつもりです!」

 これまでにツアー8勝を挙げ、22年の全仏オープンでは初の四大大会ベスト4進出を経験するなど若くから活躍を続けてきたカサキナ。充電期間を経て、来季は再びコートで輝く姿を見せてくれることを期待したい。

文●中村光佑

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