現在行なわれている男子テニスツアー公式戦「ロレックス・パリ・マスターズ」(10月27日~11月2日/フランス・パリ/室内ハードコート/ATP1000)で、世界ランキング1位に君臨するカルロス・アルカラス(スペイン)が初戦で姿を消す大波乱が起きた。
22歳のアルカラスは優勝した9月末の「ジャパンオープン」(ATP500)で右足首を痛め、直後に出場予定だった「上海マスターズ」(ATP1000)を欠場。第1シードで参戦した今大会が約1カ月ぶりのツアー出場となった。
現地28日に行なわれた2回戦(上位8シードは1回戦免除)でアルカラスが対峙したのは、2022年の「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/芝コート)で四大大会初のベスト4進出を経験し、同年9月に初のトップ10入りを達成した元世界8位のキャメロン・ノーリー(イギリス/現31位)。両者は今回が8度目の顔合わせで、過去の対戦成績はアルカラスが5勝2敗と勝ち越している。
試合は練習時から「感触が良く、動きもショットも最高に良かった」というアルカラスが第1セットを6-4で先取。しかし第2セットは3-6で落とし、勝負のファイナルセットも第7ゲームをブレークされて2時間22分でまさかの逆転負けを喫した。
今季はここまで四大大会2勝を含むツアー8勝を挙げ、9月の全米オープン優勝後には約2年ぶりの世界1位返り咲きも果たしていたアルカラス。これまではシーズン終盤に失速しがちだったこともあり、「今年の自分は違う。本当に調子がいい」と自信を見せていた。最高成績が22年のベスト8と苦手のパリでも今年こそは初優勝に向け意気込みは十分だった。
だがそんな期待はあっけなく打ち砕かれた。ノーリー戦でアルカラスは33本のウイナーを奪ったもののアンフォーストエラー(自滅的ミス)はそれを上回る54本(フォアハンド29本、バックハンド23本、ダブルフォールト2本)を記録。番狂わせを許した22歳の王者は敗戦後のインタビューで勝者を称えつつも、自身の不甲斐ないプレーに戸惑いを隠せなかった。
「上海をスキップし、数日間は家でゆっくり過ごして、エネルギーを充電できた。だから何が起きたのか正直わからない。頭の中では明確な戦術があったが、今日の試合に限っては、第1セットを取った時でさえも『もっとできたはず』みたいな感覚があった。第2セットではもっと内容を良くしようと試みたけど、逆にどんどん悪くなっていった。ただ今日はカム(ノーリーの愛称)を称えるべきだと思う。彼が僕に巻き返すスキを与えなかった」
この結果ライバルで2位のヤニック・シナー(イタリア)が今大会で優勝した場合、アルカラスは再び1位の座を明け渡す見込み。ここにきて年間1位争いも一気に混とんとしてきた。
文●中村光佑
【動画】ノーリーがアルカラスを破る番狂わせ!「パリ・マスターズ」2回戦ハイライト
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22歳のアルカラスは優勝した9月末の「ジャパンオープン」(ATP500)で右足首を痛め、直後に出場予定だった「上海マスターズ」(ATP1000)を欠場。第1シードで参戦した今大会が約1カ月ぶりのツアー出場となった。
現地28日に行なわれた2回戦(上位8シードは1回戦免除)でアルカラスが対峙したのは、2022年の「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/芝コート)で四大大会初のベスト4進出を経験し、同年9月に初のトップ10入りを達成した元世界8位のキャメロン・ノーリー(イギリス/現31位)。両者は今回が8度目の顔合わせで、過去の対戦成績はアルカラスが5勝2敗と勝ち越している。
試合は練習時から「感触が良く、動きもショットも最高に良かった」というアルカラスが第1セットを6-4で先取。しかし第2セットは3-6で落とし、勝負のファイナルセットも第7ゲームをブレークされて2時間22分でまさかの逆転負けを喫した。
今季はここまで四大大会2勝を含むツアー8勝を挙げ、9月の全米オープン優勝後には約2年ぶりの世界1位返り咲きも果たしていたアルカラス。これまではシーズン終盤に失速しがちだったこともあり、「今年の自分は違う。本当に調子がいい」と自信を見せていた。最高成績が22年のベスト8と苦手のパリでも今年こそは初優勝に向け意気込みは十分だった。
だがそんな期待はあっけなく打ち砕かれた。ノーリー戦でアルカラスは33本のウイナーを奪ったもののアンフォーストエラー(自滅的ミス)はそれを上回る54本(フォアハンド29本、バックハンド23本、ダブルフォールト2本)を記録。番狂わせを許した22歳の王者は敗戦後のインタビューで勝者を称えつつも、自身の不甲斐ないプレーに戸惑いを隠せなかった。
「上海をスキップし、数日間は家でゆっくり過ごして、エネルギーを充電できた。だから何が起きたのか正直わからない。頭の中では明確な戦術があったが、今日の試合に限っては、第1セットを取った時でさえも『もっとできたはず』みたいな感覚があった。第2セットではもっと内容を良くしようと試みたけど、逆にどんどん悪くなっていった。ただ今日はカム(ノーリーの愛称)を称えるべきだと思う。彼が僕に巻き返すスキを与えなかった」
この結果ライバルで2位のヤニック・シナー(イタリア)が今大会で優勝した場合、アルカラスは再び1位の座を明け渡す見込み。ここにきて年間1位争いも一気に混とんとしてきた。
文●中村光佑
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