元世界ランク1位のラファエル・ナダル氏(スペイン/39歳)を、約25年以上にわたり指導した叔父のトニ・ナダル氏が、現在の男子テニス界とビッグ3時代の選手たちの違いについて言及している。
テニス界において世代間の議論は決して消えることはないだろう。同じ世代など決して存在しないのだから、それは当然のことだ。スペインメディア『Punto de Break』によると、ナダル氏のコーチとして長年ツアーに帯同し、ビッグ3時代の選手たちがしのぎを削る様を間近で見てきたトニ氏もこの話題に切り込んだ。
トニ氏はまず、ここ数年のツアーを席巻している同郷のカルロス・アルカラス(スペイン/世界ランキング1位)について、「誰もが彼の持つ輝かしい記録や、驚異的な身体能力に注目している。彼は成功するために必要な全てを備えていると言える」と称賛。それだけでもアルカラスが現世代のトップに君臨する決定的な理由となり得るのだが、トニ氏はより本質を突いた見解を示した。
「彼は数年前までの選手たちになかった利点を持っている。ライバルたちが弱く、数年前ほど(競技に)熱心ではないのだ。確かにシナーという強敵は存在しているが、他の選手たちは道半ばで脱落してしまった」
トニ氏はアルカラスとヤニック・シナー(イタリア/同2位)の2人と、現世代の他の選手たちとの間には大きな隔たりがあることを指摘し、ビッグ3時代の選手たちの方がより拮抗していたと語る。
「ラファエルの時代には、ジョコビッチやフェデラーに加えて、マリー、デルポトロ、フェレールやワウリンカなど、数多くの偉大な選手たちがいた。これほどの選手たちが常にビッグ3たちに立ちはだかる壁として存在していたんだ。現在のツアーでは、壁となるべきライバルたちが離れていっているように思う」
トニ氏の言うように、現在の選手たちには大きな差があることは間違いないが、今後に期待を寄せられている成長途上の若い選手たちが多く控えていることもまた事実だ。来シーズン以降、トップ2を大きく揺るがす存在が現れることを楽しみに待ちたい。
構成●スマッシュ編集部
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