2022年2月にロシア主導のウクライナ侵攻が発生して以降、テニス界ではロシア人選手の国籍変更が増加傾向にある。既報の通り女子元世界8位のダリア・カサキナ(現37位)は反戦と母国ロシアの同性愛者に対する厳格な規制を批判したことを背景に、オーストラリアへ国籍を変更。その他にもカミラ・ラヒモワ(女子97位)とマリア・ティモフェーワ(女子143位)がウズベキスタンへ、エリナ・アバネシャン(同118位)がアルメニアへ、アレクサンダー・シェフチェンコ(男子95位)がカザフスタンへと、それぞれ国籍を切り替えている。
そうした中、先日ロシアテニス連盟のシャミル・タルピシェフ会長が露スポーツテレビチャンネル『Match TV』のインタビューに応じ、過去にロシアからカザフスタンへ国籍を移した女子元世界3位のエレーナ・ルバキナ(現5位/26歳)に言及した。同氏は彼女が「競技活動上の理由からカザフスタン国籍を利用している」との見方を示し、「彼女は現在もモスクワに住んでいて、ロシア国籍を持っている。カザフスタン国籍はいわゆる“スポーツ国籍”にすぎず、あくまでテニス選手としての活動のために得たものだ」と主張している。
モスクワ生まれのルバキナは、カザフスタンテニス連盟からトレーニング拠点や資金提供のオファーを受け、18年から同国選手としてプレーするようになった。当時、彼女は英紙『Guardian』のインタビューでキャリアの転機となった国籍変更について「全てが噛み合ったが故の決断だった」と語っていた。
タルピシェフ会長の上記指摘について、このほどカザフスタンテニス連盟(KTF)は同国スポーツサイト『Sports.kz』に声明文を送付。実際にはスポーツ国籍という制度は存在せず、ルバキナは「れっきとしたカザフスタン国籍を有している」と反論した。
「ロシアテニス連盟のシャミル・タルピシェフ会長による、エレーナ・ルバキナの国籍に関する発言は事実ではない。彼女はカザフスタン共和国の市民権を持ち、同国のパスポートを所持しており、首都アスタナに住民登録している。モスクワには住んでいない。
そもそもカザフスタンには“スポーツ国籍”という概念は存在しない。ルバキナは2018年以降、全ての国際大会で正式にカザフスタン人選手としてプレーしており、ナショナルチームの一員でもある」
22年のウインブルドンで四大大会シングルス初優勝を達成したルバキナはこれまでにツアー11勝を挙げており、今季も11月の女子シーズン最終戦「WTAファイナルズ」(室内ハードコート/FIN)を含む3つのタイトルを獲得。通算でも59勝19敗の好成績を残し、現在世界ランキングでも5位と上位につけている。
文●中村光佑
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そうした中、先日ロシアテニス連盟のシャミル・タルピシェフ会長が露スポーツテレビチャンネル『Match TV』のインタビューに応じ、過去にロシアからカザフスタンへ国籍を移した女子元世界3位のエレーナ・ルバキナ(現5位/26歳)に言及した。同氏は彼女が「競技活動上の理由からカザフスタン国籍を利用している」との見方を示し、「彼女は現在もモスクワに住んでいて、ロシア国籍を持っている。カザフスタン国籍はいわゆる“スポーツ国籍”にすぎず、あくまでテニス選手としての活動のために得たものだ」と主張している。
モスクワ生まれのルバキナは、カザフスタンテニス連盟からトレーニング拠点や資金提供のオファーを受け、18年から同国選手としてプレーするようになった。当時、彼女は英紙『Guardian』のインタビューでキャリアの転機となった国籍変更について「全てが噛み合ったが故の決断だった」と語っていた。
タルピシェフ会長の上記指摘について、このほどカザフスタンテニス連盟(KTF)は同国スポーツサイト『Sports.kz』に声明文を送付。実際にはスポーツ国籍という制度は存在せず、ルバキナは「れっきとしたカザフスタン国籍を有している」と反論した。
「ロシアテニス連盟のシャミル・タルピシェフ会長による、エレーナ・ルバキナの国籍に関する発言は事実ではない。彼女はカザフスタン共和国の市民権を持ち、同国のパスポートを所持しており、首都アスタナに住民登録している。モスクワには住んでいない。
そもそもカザフスタンには“スポーツ国籍”という概念は存在しない。ルバキナは2018年以降、全ての国際大会で正式にカザフスタン人選手としてプレーしており、ナショナルチームの一員でもある」
22年のウインブルドンで四大大会シングルス初優勝を達成したルバキナはこれまでにツアー11勝を挙げており、今季も11月の女子シーズン最終戦「WTAファイナルズ」(室内ハードコート/FIN)を含む3つのタイトルを獲得。通算でも59勝19敗の好成績を残し、現在世界ランキングでも5位と上位につけている。
文●中村光佑
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