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海外テニス

批判が多いテニス界の過密日程を元8位ノーリーは支持「大会に出てお金を稼ぐチャンスもたくさんある」<SMASH>

中村光佑

2025.12.24

トップ選手の間から過密スケジュールへの批判の声が上がる中、ノーリーは「休むかどうかは自分次第」と寛容に受け入れる。(C)Getty Images

トップ選手の間から過密スケジュールへの批判の声が上がる中、ノーリーは「休むかどうかは自分次第」と寛容に受け入れる。(C)Getty Images

 最近のテニス界ではツアーの過密日程を巡る議論が活発化しており、カルロス・アルカラス(スペイン/男子世界ランク1位)やイガ・シフィオンテク(ポーランド/女子元1位/現2位)といったトップ選手たちも批判の声を上げている。一方で「文句を言うべきではない」と語ったエマ・ラドゥカヌ(イギリス/女子元10位/現29位)のように、現行のスケジュールを擁護する者もいる。

 英紙『デイリー・メール』によれば、同じくイギリス出身で今年8月に30歳を迎えた男子元8位のキャメロン・ノーリー(現27位)もラドゥカヌ寄りの考えを持っている。

 以前の彼は「とにかく試合に出たいタイプ」で、「燃え尽きるところまで自分を試していた」そうだが、最近になって出場大会を取捨選択するスタイルに切り替え、過密日程を乗り切る術を身に付けたという。その上で過密日程を糾弾する選手たちに対し、「休むかどうかは自分次第」と前置きしつつこう反論した。

「確かにツアースケジュールは長いし、その現実を甘く見ているわけではない。でもそのぶん大会に出てお金を稼ぎ、生計を立てるチャンスもたくさんあるから、僕にとっては問題ない。例えば格が低めのATP250は強制ではないしね」
 
「一方でATP500や四大大会に次ぐマスターズ1000は一定の出場義務があり、マスターズは上位ランカーならほぼ全ての大会が必須となるけど、それでもスケジュールは自分でコントロールできるものだ。その中で、自分がどの大会が好きなのかを理解する必要がある。そんな感じで常に適応していかなければならない」

 ノーリーは今季、全仏オープンでベスト16、ウインブルドンでベスト8と最高峰の四大大会で結果を出し、10月末の「ロレックス・パリ・マスターズ」(室内ハード/ATP1000)2回戦では王者アルカラスから金星を獲得。直後の「モーゼル・オープン」(室内ハード/ATP250)では準優勝し、昨年5月以来のトップ30復帰を果たしてシーズンを終えた。

 年間では60試合を戦い、34勝26敗を記録。試合数だけを見れば手首のケガに悩まされた2024年より21試合も多かった。また21年から23年まで3シーズン連続で60試合以上をこなした経験もあり、彼の“スケジュール擁護論”には一定の説得力があると言える。

「他の選手がポイントを積み上げていくのを見ると、常にどこかの大会に出場したくなるプレッシャーに駆られるが、最終的にはテニスを楽しみたい。今年はそれができたから、とても満足している」と充実感を口にしたノーリー。来季はさらなるランクアップを期待したい。

文●中村光佑

【動画】ノーリーがアルカラスから衝撃の勝利を挙げた2025パリ・マスターズ2回戦ハイライト

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