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力を使わないと力が出る? 伊藤竜馬プロが「ドラゴンショット」の秘訣を伝授!【プロが明かすテニス上達法】

スマッシュ編集部

2020.05.06

日本人離れした破壊力を持つ伊藤竜馬のフォアハンド。優勝した18年全日本選手権より。写真:山崎賢人(THE DIGEST写真部)

日本人離れした破壊力を持つ伊藤竜馬のフォアハンド。優勝した18年全日本選手権より。写真:山崎賢人(THE DIGEST写真部)

 プロテニス選手は、目の覚めるようなスピードショットをいとも簡単にたたき込む。なぜあんなボールが打てるのか? その秘訣をプロ本人に明かしてもらうシリーズ。今回は強烈なフォアハンドを持つ伊藤竜馬プロからのアドバイスだ。

 伊藤プロのフォアはスピン回転が少なく、直線的に相手コートに突き刺さる。その凄まじい威力から「ドラゴンショット」と呼ばれ、ATP最高60位まで達する原動力となった。
「自分で『ドラゴンショット』とは呼びませんけどね」と笑う伊藤プロだが、フォアが武器であることは自認している。あの球威を生む鍵は何なのか?

「特に意識していることは、打点が前になりすぎないように、ボールを呼び込んで打つことです。ストレートでもクロスでも打てるように、自分の中で少し間を取ります。相手に一瞬の間を与えて、コースを隠してヒットするような感じですね」

 通常、フォアの強打は打点を前に取るのが基本だが、かといって打ち急ぐとパワーが伝わらないというのが伊藤プロの考え方。大切なのは『タメ』だと語る。
 
「当然ライジングのように早いタイミングで打つ時もありますが、しっかり構えてたたく時は、両方のコースに打てるようにタメて準備します。具体的には、肩をグッと入れて、しっかり右足に乗り、タメを作ってから体重移動するんです。そして打つ時は左足に乗るのが理想ですね」

 肩は入れるが、身体のひねりはそれほど強調せず、自然な範囲で行なっているという。 
「上半身はできるだけリラックスするように心掛けています。タメを入れると、腕力を使わなくてもしっかりスイングできますから。自分で力を出すというより、相手のボールの威力をうまく利用する感じで振ると、よりパワーが出ると思いますね」

 意外にも“力を使わない”ことが、あのパワフルフォアハンドの秘訣とのこと。タメる意識を持てば、あなたもドラゴンショットが打てる! かもしれない。

【プロフィール】伊藤竜馬/いとうたつま
1988年5月18日、三重県生まれ。180cm、75kg、右利き。回転量の少ない高速ストロークを武器にする。2012年にATPランキング最高60位をマークし、ロンドン五輪に出場。全てのグランドスラム本戦に出場経験があり、今年の全豪では2回戦に進出した。北日本物産所属。

構成●スマッシュ編集部

※『スマッシュ』2019年7月号より再編集

【PHOTO】伊藤竜馬のドラゴンショット、より細かい30コマの『超分解写真』はこちら!
 

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