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ジャックナイフはタイミングの調整が大事。方向性が見えた錦織圭に22年は期待大<SMASH>

赤松恵珠子(スマッシュ編集部)

2022.01.05

右足に体重を乗せて、ジャンプする。ここでタイミングを合わせている錦織圭。左下が解説の丸山薫氏。写真:真野博正、THE DIGEST写真部

右足に体重を乗せて、ジャンプする。ここでタイミングを合わせている錦織圭。左下が解説の丸山薫氏。写真:真野博正、THE DIGEST写真部

 日本テニス界のエース、錦織圭にとって2021年は復活の手ごたえをつかめた年となった。右ヒジの手術や右肩の故障を乗り越えて1月からツアーに参戦。東京五輪1回戦で世界7位のルブレフに勝利し、全米3回戦のジョコビッチとの対戦でテニスの感覚を取り戻した。

 腰痛のため10月でシーズンを終え、ランキングは47位に留まったが、身体が整えば彼らしいテニスを見せてくれそうだ。そんな錦織が得意なバックハンドのダウンザライン、特に高い打点の時に使うジャックナイフについて、元日本代表コーチの丸山薫さんに解説してもらった。

―――◆―――◆―――

 ジャックナイフで重要なのはジャンプをするタイミングですが、錦織はタイミングの取り方が抜群にうまい選手です。

 まずは、ボールの軌道を予測して正しい場所に移動する点。ジャンプ後に打点の微調整をすると大きなパワーロスになります。正しい場所に移動できる錦織にはスポーツビジョンの良さが感じられます。
 
 その後、右足に体重を乗せて、右足でジャンプ。この動作を行なう間に「間」を作ってタイミングを合わせます。つまり、タイミングのズレは生じるものなので、この「間」を取る長さで調整していくのです。

 タイミングを合わせる間、身体が真っすぐでバランスが取れているのは、トレーニングの賜物でしょう。背中からお尻回りが鍛えられていると、ジャックナイフを打つ時でも強さが出てきます。

 錦織は何でもできて、テニスIQが高いので、プレーの軸を見つけづらいタイプです。ただし、1度方向性がはっきりすると、それに向けての努力は惜しみません。全米オープン3回戦のジョコビッチ戦で確信をつかめて、自分のテニスの方向性が見えてきたようなので、22年は期待できます。

取材・文●赤松恵珠子(スマッシュ編集部)

【連続写真】スイング中に時間のズレを調節する、錦織圭のジャックナイフ

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