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海外テニス

「全米への出場は心待ちにしていた」故障から復活途上の2020年全米王者のティームが現状を語る「光は見えてくる」<SMASH>

中村光佑

2022.08.29

全米オープンの会場で笑顔を見せるティーム。(C)Getty Images

全米オープンの会場で笑顔を見せるティーム。(C)Getty Images

 間もなく開幕するテニス四大大会「全米オープン」(8月29日~9月12日/アメリカ・ニューヨーク/ハードコート)にワイルドカードで出場する男子テニス元世界3位のドミニク・ティーム(オーストリア/現211位)がATP(男子プロテニス協会)のインタビューに登場。2年ぶりの参戦となる年内最後のグランドスラムへの想いを語った。

 ティームにとって全米オープンは2020年に悲願の四大大会初優勝を飾った思い出の舞台だ。それだけに28歳の元チャンピオンは「お気に入りの街の一つ」であるニューヨークで優勝トロフィーを掲げた当時を振り返りながら「(その時のことは)いつまでも特別で、決して色褪せることはないと思うし、今でも自分を幸せな気持ちにしてくれる」とコメントした。

 昨年大会は右手首のケガで欠場を余儀なくされただけに、「全米への出場は心待ちにしていた」という。ただ最近は有望な若手が続々と台頭しており、優勝を経験したとはいえ今年3月に復帰したばかりのティームが今大会で勝ち上がるのは容易ではない。自身でも「スポーツはとても速く展開していくビジネスで、誰もが毎日ハングリー精神を持っている。元チャンピオンであることのアドバンテージはゼロだ」と述べ、厳しい現実が待ち受けていると覚悟を口にした。
 
 復帰直後は思うようなプレーができずに勝ちに恵まれない日々が続いていたティームだったが、7月のノルデア・オープン(スウェーデン・バスタード/クレーコート/ATP250)から3大会連続でツアー8強に進出。徐々に調子を上げてきている。数々の試練を乗り越えていくなかで「学んだことがあった」と話したティームは、こう続けた。

「トンネルの先には必ず光があるものだ。たとえそのように考えることができずに非常に厳しい状況に立たされていても、そして多くの痛みを感じていて前へ進む道がないように思える時であっても光は見えてくる。手首を痛めた当初は、痛みの感覚はかなり強かった。でもしばらくすると、なぜかいつも少しずつ良い方向に進んでいくんだ。テニスやスポーツだけに限らず、人生の全てにおいてそのように少しでも前向きな気持ちを持つのはとても大切なことだと思う」

 そんなティームは前哨戦のウェスタン&サザン・オープンでマスターズ初優勝を飾ったパブロ・カレノブスタ(スペイン/15位)と今大会初戦で対戦する。いきなり難敵が立ちはだかるわけだが、多くのファンが注目する中でティームが持ち味の力強いテニスを見せてくれることを期待したい。

文●中村光佑

【PHOTO】攻守一体のプレーが魅力!逆転勝利でグランドスラム初優勝を果たしたドミニク・ティーム!

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