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海外テニス

男子テニス界の超新星アルカラスが世界1位として公式戦初勝利!「戦術を変えなければならなかった」<SMASH>

中村光佑

2022.10.25

苦しい状況のなかで打開策を見出し、勝利をつかんだアルカラス。(C)Getty Images

苦しい状況のなかで打開策を見出し、勝利をつかんだアルカラス。(C)Getty Images

 男子テニスツアー「バーゼル・オープン」(10月24日~30日/スイス・バーゼル/ハードコート/ATP500)は現地10月24日にシングルス1回戦が行なわれ、世界王者のカルロス・アルカラス(スペイン)が登場。ジャック・ドレイパー(イギリス/世界ランク45位)を3-6,6-2,7-5の逆転で下し、2回戦へ駒を進めた。

 今年9月の全米オープンで悲願のグランドスラム初優勝を飾り、同時に最年少で世界1位の座に就いた19歳のアルカラス。だが、世界王者として初めてのツアー大会出場となった今月初旬の「アスタナ・オープン」(カザフスタン・ヌルスルタン/ハードコート/ATP500)ではラッキールーザー(予選で敗退後、棄権者が出たため繰り上がった選手)のダビド・ゴファン(ベルギー/大会時66位/現53位)にストレートで初戦敗退を喫していた。

 その試合後の会見で「この敗戦から学びたい」と前向きに話していた男子テニス界の超新星が、実に3年ぶりの開催となったバーゼルの舞台でうれしい勝利を手にした。

 2度のブレークを献上して、第1セットを落としたアルカラスだったが、第2セット以降は落ち着きを取り戻して、ストローク戦でも主導権を確保。勝負のファイナルセットでは、終盤の第10ゲームから3ゲームを連取し、粘るドレイパーを振り切った。
 
 王者の意地を見せたアルカラスは、試合後のオンコートインタビューで「序盤はタフだった。このコートは僕にとっては少し球足が遅く感じるから、アグレッシブにプレーしようとした結果、自分のミスが多かった」としつつも、「でもそれに対応しなければならなかった。第2セットでは問題点を何とかしようと、戦術を少し変えなければならなかった」とコメント。苦しい状況のなかで、打開策を見出せたことが勝利につながったと振り返った。

 また「ジャック(ドレイパー)は本当に危険な選手で、素晴らしいプレーをしていることを知っていた」からこそ、「最後まであきらめず、集中しなければならない」と自分に言い聞かせながらプレーし続けたと明かした。

 初戦を突破したアルカラスは、2回戦でアドリアン・マナリノ(フランス/42位)とボティック・ファンデザンツフープ(オランダ/35位)による1回戦の勝者と対戦する。全米以来となる公式戦での優勝へ向け、この勢いで勝ちを積み重ねてほしい。

文●中村光佑

【PHOTO】史上最年少の1位となった19歳アルカラスの全米オープン2022優勝までの激闘の記録

 

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