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海外テニス

全豪ベスト4進出のジョコビッチが試合後にフェデラーにメッセージ「テニス界は彼を恋しく思っている」<SMASH>

中村光佑

2023.01.26

2年ぶり10度目の全豪ベスト4を決めたジョコビッチ(左)と昨年9月に現役引退したフェデラー氏(右)。(C)Getty Images

2年ぶり10度目の全豪ベスト4を決めたジョコビッチ(左)と昨年9月に現役引退したフェデラー氏(右)。(C)Getty Images

 いよいよ佳境を迎えているテニス四大大会「全豪オープン」は現地1月25日に男子シングルス準々決勝が行なわれ、センターコートのナイトセッションに元世界王者のノバク・ジョコビッチ(セルビア/現世界ランク5位)が登場。第5シードのアンドレイ・ルブレフ(ロシア/同6位)を6-1、6-2、6-4のストレートで下し、同大会2年ぶり10度目となるベスト4入りを果たした。

 オーストラリア入国禁止措置が解除され、2年ぶりにメルボルンの舞台に帰ってきたジョコビッチ。今大会は、左太もものケガを抱えながらも素晴らしいプレーで順調に勝ち進み、4回戦では地元勢のアレックス・デミノー(オーストラリア/24位)にストレートで完勝。自身13度目の全豪8強進出を決めていた。

 この日の準々決勝もジョコビッチの独壇場となる。鉄壁のディフェンスから攻撃に転じ、正確なリターンとサービスを軸に主導権を確保。幸先よく第1セットを先取すると、第2セットでも2度のブレークを奪って早くも2セットアップとする。

 迎えた第3セットでも第1ゲームでいきなりブレークに成功したジョコビッチがそのリードを守り切り、2時間3分で準決勝へ駒を進めた。

 試合後のオンコートインタビューで「今日は重要な場面で最高のテニスができたのが一番嬉しい」と喜びを表現した35歳の鉄人は、その直後に“ある人物”へ向けてメッセージを送った。それは昨年9月に惜しまれながらも栄光のキャリアに別れを告げた宿命のライバル、ロジャー・フェデラー氏(スイス/元世界1位/41歳)に向けてのものだった。
 
 準決勝で対戦する世界35位のトミー・ポール(アメリカ)が、今回の全豪で四大大会初のベスト4に進出したことを踏まえ、インタビュアーを務めたジム・クーリエ氏(アメリカ/元1位)がジョコビッチに「初めてグランドスラムで準決勝を戦った時のことを覚えているか?」と質問。これに対してジョコビッチが「あれ(初めての準決勝)は確か2007年の全米オープンだったかな?決勝までいってそこでロジャーに負けたんだ」とフェデラー氏の名前を交えて答えると、観客からは大きな歓声が。

 そして会場のファンへ「さあみんな、ロジャーに盛大な、彼に相応しい拍手を!」と呼びかけると、温かい拍手が巻き起こる中でジョコビッチは「彼とは何度も激しいバトルを繰り広げた。テニス界は彼を恋しく思っている」とコメントした。

 そして最後には、先日フェデラー氏がフランス・パリで行なわれたファッションイベントに出席した時の様子や、スキーを楽しむ姿を自身のSNSでアップしたことにも言及しつつ、「この前、彼がパリ・ファッションウィークでおしゃれに着こなしているのを見たよ。彼がスキーしているところも見たけど、数年後にはスキーで彼と勝負をしたいね。 彼が人生を楽しんでいるのがうれしい。テニス界にとっても最も偉大な人物の一人だ。彼と彼の家族に敬意を伝えたい」と締めくくった。

 前人未到の全豪10度目の優勝が見えてきているジョコビッチ。決勝進出を懸けた大一番でどんなパフォーマンスを見せるのか注目だ。

文●中村光佑

【PHOTO】全豪オープン2023で熱戦を繰り広げるジョコビッチら男子選手たちの厳選写真!
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