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海外テニス

地元大会初戦敗退の38歳ワウリンカが現状明かす「疲労が溜まってショットの選択を誤ることがある」<SMASH>

中村光佑

2023.10.27

昨年8月には300位台だった順位も現在は45位まで押し上げたワウリンカだが、そのぶん精神的な疲労も蓄積されているようだ。(C)Getty Images

昨年8月には300位台だった順位も現在は45位まで押し上げたワウリンカだが、そのぶん精神的な疲労も蓄積されているようだ。(C)Getty Images

 現在開催中の男子テニスツアー「バーゼル・オープン」(10月23日~29日/スイス・バーゼル/インドアハードコート/ATP500)で初戦敗退を喫した元世界ランキング3位のスタン・ワウリンカ(スイス/現45位)が、1回戦終了後に応じた地元メディアのインタビューで「肉体的・精神的な疲労により良いプレーができていない」と明かした。

 母国開催の本大会、世界2位のカルロス・アルカラス(スペイン)がケガで欠場したことにより本戦に繰り上がったワウリンカは、現地10月25日に行なわれた1回戦で予選勝者のアレクサンドル・シェフチェンコ(ロシア/83位)と対戦。地元ファンの声援を浴びながらも序盤から劣勢に立たされて第1セットを失うと、第2セットもタイブレークにもつれ込む接戦の末に落とし、3-6、6-7(8)のストレートで敗れた。

 今季は7月の「クロアチア・オープン」(クロアチア・ウマグ/クレーコート/ATP250)で約3年9カ月ぶりとなるツアー決勝進出を果たし、トップ10選手にも2勝を挙げるなど安定した活躍を見せてきたワウリンカ。チャレンジャー(下部大会)やデビスカップ(国別対抗戦)にも積極的に参戦するというハードスケジュールをこなしてきたが、38歳という年齢からその代償は非常に大きいようだ。

 バーゼル初戦敗退後に応じたスイスメディア『The Tribune de Genève』のインタビューで「ここ数週間、とても疲れていた」と明かしたワウリンカは、今月初旬に出場した「アスタナ・オープン」(カザフスタン・アスタナ/ATP250)で1回戦敗退を喫してから「疲れがたまりすぎてトレーニングができなかったことが何度かあった」という。

 中でもワウリンカはコンディションが思うように整わない原因について「精神的疲労が大きい」と説明。そのうえでこう続けた。
 
「昨年3月に左足のケガから復帰して以降、一定のレベルに戻るためにできる限り自分を追い込む必要があった。ただ今のランキングに戻すまでにはかなり苦労したし、精神的な疲労も溜まっていて、試合でのショットの選択を誤ってしまうこともある」

 それでもワウリンカは自分がやってきたことは決して間違っていないと自信も見せる。

「(今の年齢で)どれだけ身体が耐えられるかはわからない」としつつも、「僕の年齢でテニスを続けるためにはいくつかの要素が関係してくる。今年のようにモチベーションが高く、全てが順調に進んでいる限りは、プレーを続けていきたい。これまで以上に努力が必要であることを知らなければならないし、それには犠牲を払う日々を送ることにはなるけど、どこでプレーしても自分がテニスに対して抱く愛によって埋め合わせることができる」と前向きな言葉でインタビューを締めくくった。

 一時300位台まで落としたランキングを約1年でトップ50まで戻したワウリンカ。それだけに心身の疲労はピークに達しているのだろう。自分の身体とうまく向き合いながらプレーを続けていってほしい。

文●中村光佑

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