男子テニス元世界３位のグリゴール・ディミトロフ（ブルガリア／現14位）の元コーチのダンテ・ボッティーニ氏（アルゼンチン）が、アルゼンチン紙『ラ・ナシオン』のインタビューに登場。そのなかで、2023年シーズン好調ぶりを見せた32歳の名手について言及した。

　優雅なフォームから繰り出される強烈なストロークと、多彩なショットでファンを魅了してきたディミトロフ。2017年の年間成績上位８名によるツアー最終戦「ATPファイナルズ」（イギリス・ロンドン／FIN）を最後にツアー優勝からは遠ざかっているものの、23年は本来のプレーを徐々に取り戻し、復調の兆しを見せた。

　特にツアー後半戦では、10月の「ロレックス上海マスターズ」（中国・上海／ATP1000）でカルロス・アルカラス（スペイン／大会時２位）を破るなどしてベスト４進出。会見では「今こそ僕にとっては一番良い時期だと感じている」と充実ぶりを口にした。そして「ロレックス・パリ・マスターズ」（フランス・パリ／ATP1000）では、ダニール・メドベージェフ（ロシア／同３位）、ステファノス・チチパス（ギリシャ／同６位）らトップ10選手を破り、準優勝を果たした。

　ディミトロフを20年から22年の２年間にわたって指導した経験を持つボッティーニ氏は、このほどのインタビューで彼のセンス溢れるプレーを次のように称賛した。
  「彼は世界で最も才能のある選手の１人だ。身体的にも素晴らしい選手。そして、技術面でも優れた才能の持ち主で、ほとんど誰もやらないようなショットを打つことができる。特に片手打ちバックハンドのスライスはクレイジーだ」

　また、ディミトロフのプレーは「見ていて楽しい」という同氏は、多彩なショットでファンを魅了することもあれば、時には失望させることもある選手だと評価。ツアーを帯同していた頃を振り返りながら、短所と長所について語った。

「調子が悪い時は、ほとんど勝負にならなくて、コートから出ていきたくなることもあった。彼はうまくプレーができないと感情的になる。そこが大きな弱点だ。だが、状態が良い時には、相手を翻弄させることができるし、最高のショーを披露してくれる」

　23年シーズンを素晴らしい形で締めくくったディミトロフ。華麗な片手バックハンドを武器に、30代に突入してからも素晴らしい活躍を見せている。来季シーズンでは果たしてどのようなプレーが見られるだろうか。今後の活躍に期待したい。

構成●スマッシュ編集部

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