今年2月に産休から約16カ月ぶりのツアー復帰を果たした女子テニス元世界ランキング2位のペトラ・クビトワ(チェコ/現830位)が、現地5月6日に開幕したツアー公式戦「イタリア国際」(イタリア・ローマ/クレーコート/WTA1000)のシングルス1回戦に登場。ノーシードのイリナ-カメリア・ベグ(ルーマニア/同83位)を7-5、6-1で下し、うれしい復帰後初勝利を飾った。
これまでに四大大会2勝(いずれもウインブルドン)を含むツアー31勝を挙げ、2011年にキャリアハイの世界2位をマークした34歳のクビトワは、23年7月に自身の長年のコーチであるイリ・バネク氏と結婚。昨年の元日に妊娠を発表し、7月には無事第一子となる男の子を出産していた。
クビトワは結婚後の23年10月に出場した「チャイナ・オープン」(WTA1000)で2回戦に進んだ後、戦線を離れていたが、今年2月にようやくツアーに復帰。しかし復帰後に出場した4大会はいずれも初戦敗退と苦戦を強いられていた。
ベスト8に進出した15年を最後に連勝がなかったローマで復帰後初勝利を挙げたことについて「なんだか変な感じがする」と不思議そうに語ったクビトワだが、試合を通してのパフォーマンスは安定していた。第1セット5-4で迎えたサービング・フォー・ザ・セットこそ落としたものの、それ以外のサービスゲームではブレークを許さず。リターンゲームでは計5度のブレークに成功し、1時間37分でストレート勝ちを収めた。
産休前から「テニスに飽き飽きしていた」ため、先述のチャイナ・オープンをもって現役を退くことも考えていたとクビトワ。「95%はもうコートに戻ることはないと思っていた」そうで、「『もう無理』って思ったから、子どもを作ろうと決めた」という。
しかし第一子誕生後、クビトワの中で残りの「5%の迷い」が少しずつ膨らんでいった。妊娠中は思うように身体を動かせずストレスが溜まっていたこともあってか、出産後すぐにラケットを握りたくなったと明かす。ブランクがあったにもかかわらずショットの感覚はすこぶる良く、コート練習を重ねるうちに調子も上がっていったと続けた。
「出産後、やっと何かできるようになって、テニスをやってみた。すごく心地よくて、笑いながらボールを打っていたわ。スムーズにショットが決まるたびに、『まだ感覚が残っているんだ!』って感じた。足はダメでも、手の感覚はまだすごくいいな、って。想定よりもフィットしていないのは確かだけど、練習の中でも良くなってきていた」
とはいえ日々の練習や各国への転戦など、子育てと両立するツアー生活の過酷さは別次元で、「『ああまたこれをやらなきゃいけないんだ…』って思ってしまう」とクビトワはため息交じりに話す。それでも最後には「楽しめる間は、ずっとプレーを続けたい」と現役続行への意欲を示した。
次なる2回戦では第27シードで元世界2位のオンス・ジャバー(チュニジア/現36位)と対戦するクビトワ。厳しい戦いとなりそうだが、次戦も奮闘を期待したい。
文●中村光佑
【動画】クビトワが復帰後初勝利!「イタリア国際」第1日ハイライト(クビトワvsベグは3分頃~)
【関連記事】元世界2位のクビトワが出産を経てツアー復帰を発表!「テニスが恋しい。素敵な旅になると思う」<SMASH>
【画像】クビトワをはじめ、ウインブルドン2023で熱戦を繰り広げた女子選手たちの厳選写真!
これまでに四大大会2勝(いずれもウインブルドン)を含むツアー31勝を挙げ、2011年にキャリアハイの世界2位をマークした34歳のクビトワは、23年7月に自身の長年のコーチであるイリ・バネク氏と結婚。昨年の元日に妊娠を発表し、7月には無事第一子となる男の子を出産していた。
クビトワは結婚後の23年10月に出場した「チャイナ・オープン」(WTA1000)で2回戦に進んだ後、戦線を離れていたが、今年2月にようやくツアーに復帰。しかし復帰後に出場した4大会はいずれも初戦敗退と苦戦を強いられていた。
ベスト8に進出した15年を最後に連勝がなかったローマで復帰後初勝利を挙げたことについて「なんだか変な感じがする」と不思議そうに語ったクビトワだが、試合を通してのパフォーマンスは安定していた。第1セット5-4で迎えたサービング・フォー・ザ・セットこそ落としたものの、それ以外のサービスゲームではブレークを許さず。リターンゲームでは計5度のブレークに成功し、1時間37分でストレート勝ちを収めた。
産休前から「テニスに飽き飽きしていた」ため、先述のチャイナ・オープンをもって現役を退くことも考えていたとクビトワ。「95%はもうコートに戻ることはないと思っていた」そうで、「『もう無理』って思ったから、子どもを作ろうと決めた」という。
しかし第一子誕生後、クビトワの中で残りの「5%の迷い」が少しずつ膨らんでいった。妊娠中は思うように身体を動かせずストレスが溜まっていたこともあってか、出産後すぐにラケットを握りたくなったと明かす。ブランクがあったにもかかわらずショットの感覚はすこぶる良く、コート練習を重ねるうちに調子も上がっていったと続けた。
「出産後、やっと何かできるようになって、テニスをやってみた。すごく心地よくて、笑いながらボールを打っていたわ。スムーズにショットが決まるたびに、『まだ感覚が残っているんだ!』って感じた。足はダメでも、手の感覚はまだすごくいいな、って。想定よりもフィットしていないのは確かだけど、練習の中でも良くなってきていた」
とはいえ日々の練習や各国への転戦など、子育てと両立するツアー生活の過酷さは別次元で、「『ああまたこれをやらなきゃいけないんだ…』って思ってしまう」とクビトワはため息交じりに話す。それでも最後には「楽しめる間は、ずっとプレーを続けたい」と現役続行への意欲を示した。
次なる2回戦では第27シードで元世界2位のオンス・ジャバー(チュニジア/現36位)と対戦するクビトワ。厳しい戦いとなりそうだが、次戦も奮闘を期待したい。
文●中村光佑
【動画】クビトワが復帰後初勝利!「イタリア国際」第1日ハイライト(クビトワvsベグは3分頃~)
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