かつて「シャラポワ2世」とも呼ばれた23歳が、6年ぶりのグランドスラム準決勝で躍動した。
現地7月10日に行なわれたテニス四大大会「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン)女子シングルス準決勝で、アマンダ・アニシモワ(アメリカ/世界ランク12位/23歳)が世界1位のアリーナ・サバレンカ(ベラルーシ)に6-4、4-6、6-4で勝利。自身初のグランドスラム決勝に進出した。
アニシモワは10代半ばから注目を集め、17歳で臨んだ2019年「全仏オープン」で4強入り。さらなる飛躍が期待されるなか、2022年頃からモチベーションの低下に陥り、21歳だった2023年5月にツアーを離脱。メンタルヘルスの問題、燃え尽き症候群により、テニス活動を続けることに耐えられなかった。
テニスから離れていた約8カ月の間、彼女はラケットを完全に手放し、「普通の生活」を取り戻そうとしていた。友人や家族と過ごし、大学の講義にも出席、絵画の制作とチャリティ活動にも打ち込んだ。その経験が再出発の糧となった。テニスへの情熱を取り戻したのだ。そうした日々を振り返り、彼女は英メディア『BBCラジオ5ライブ』にこう語っている。
「私は自分自身について多くのことを学んだ。コートの外での興味についても、そして少し立ち止まって、普通の生活を送る時間の大切さについても。大切なのは、自分自身の声に、直感に、そして身体の声に正直に耳を傾けることだと学んだわ」
彼女の復帰は、単なる「再開」ではなかった。2024年1月からツアーに戻ると、7月のウインブルドンでは予選決勝で敗退するも、8月の「ナショナルバンク・オープン」(カナダ・トロント)でトップ15を4人も倒して準優勝。ランキングを一気に50位へジャンプアップさせた。そして今年2月の「カタール・オープン」(カタール・ドーハ)では、自身初めてWTA1000(四大大会に次ぐグレードの大会)を制覇。キャリア最高のタイトルを手に入れ、自己最高の世界18位に躍進した。
「これは私自身のために必要なことだった」とツアー離脱を表現した彼女は、復帰への歩みについても説明する。
「自分の道を見つける必要があったし、フィットネス面を本気で鍛え、何時間もトレーニングに取り組まなければならなかった。長い旅だったけれど、ついに自分のテニスを見つけて、自信も取り戻したの」
サバレンカとの準決勝では、ファイナルセットで先にリードを許したが、すぐに追いつくと4度目のマッチポイントをものにして2時間37分の戦いを制した。
「正直に言うと、もし誰かが『ウインブルドンの決勝に出ることになる』と私に言っていたら、きっと信じなかったと思う――特にこんなに早く来るなんて。たった1年でこれだけ好転するとは」
アニシモワのキャリア第2章は、幕を開けたばかりだ。1年前に予選で涙をのんだこのウインブルドンで、決勝の舞台に立つ。彼女のプレーは、遠回りにも見えた時間が決して無駄ではなかったことを力強く物語っている。
構成●スマッシュ編集部
【画像】アニシモワほか、ウインブルドン2025を戦う女子トップ選手たちの厳選フォト
【関連記事】女王サバレンカ、ウインブルドン準決勝敗退も「厳しい敗北が私をもっと強くしてくれると思う」と前を向く<SMASH>
【関連記事】モチベーションの低下を乗り越え…かつての天才少女アニシモワがWTA1000初優勝!23歳で手にした“成熟の証し”<SMASH>
現地7月10日に行なわれたテニス四大大会「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン)女子シングルス準決勝で、アマンダ・アニシモワ(アメリカ/世界ランク12位/23歳)が世界1位のアリーナ・サバレンカ(ベラルーシ)に6-4、4-6、6-4で勝利。自身初のグランドスラム決勝に進出した。
アニシモワは10代半ばから注目を集め、17歳で臨んだ2019年「全仏オープン」で4強入り。さらなる飛躍が期待されるなか、2022年頃からモチベーションの低下に陥り、21歳だった2023年5月にツアーを離脱。メンタルヘルスの問題、燃え尽き症候群により、テニス活動を続けることに耐えられなかった。
テニスから離れていた約8カ月の間、彼女はラケットを完全に手放し、「普通の生活」を取り戻そうとしていた。友人や家族と過ごし、大学の講義にも出席、絵画の制作とチャリティ活動にも打ち込んだ。その経験が再出発の糧となった。テニスへの情熱を取り戻したのだ。そうした日々を振り返り、彼女は英メディア『BBCラジオ5ライブ』にこう語っている。
「私は自分自身について多くのことを学んだ。コートの外での興味についても、そして少し立ち止まって、普通の生活を送る時間の大切さについても。大切なのは、自分自身の声に、直感に、そして身体の声に正直に耳を傾けることだと学んだわ」
彼女の復帰は、単なる「再開」ではなかった。2024年1月からツアーに戻ると、7月のウインブルドンでは予選決勝で敗退するも、8月の「ナショナルバンク・オープン」(カナダ・トロント)でトップ15を4人も倒して準優勝。ランキングを一気に50位へジャンプアップさせた。そして今年2月の「カタール・オープン」(カタール・ドーハ)では、自身初めてWTA1000(四大大会に次ぐグレードの大会)を制覇。キャリア最高のタイトルを手に入れ、自己最高の世界18位に躍進した。
「これは私自身のために必要なことだった」とツアー離脱を表現した彼女は、復帰への歩みについても説明する。
「自分の道を見つける必要があったし、フィットネス面を本気で鍛え、何時間もトレーニングに取り組まなければならなかった。長い旅だったけれど、ついに自分のテニスを見つけて、自信も取り戻したの」
サバレンカとの準決勝では、ファイナルセットで先にリードを許したが、すぐに追いつくと4度目のマッチポイントをものにして2時間37分の戦いを制した。
「正直に言うと、もし誰かが『ウインブルドンの決勝に出ることになる』と私に言っていたら、きっと信じなかったと思う――特にこんなに早く来るなんて。たった1年でこれだけ好転するとは」
アニシモワのキャリア第2章は、幕を開けたばかりだ。1年前に予選で涙をのんだこのウインブルドンで、決勝の舞台に立つ。彼女のプレーは、遠回りにも見えた時間が決して無駄ではなかったことを力強く物語っている。
構成●スマッシュ編集部
【画像】アニシモワほか、ウインブルドン2025を戦う女子トップ選手たちの厳選フォト
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