バレーボール

日本女子バレー、最多34得点の佐藤淑乃が号泣→敗戦直後の“国境越えた友情”が脚光【世界バレー】

THE DIGEST編集部

2025.09.08

佐藤はブラジル戦でチーム最多34得点と爆発した。(C)Volleyball World

 激闘の裏で微笑ましいシーンがあった。

 現地9月7日、バレーボール女子の世界選手権(タイ・バンコク)は3位決定戦が行なわれ、世界ランク5位の日本は同2位のブラジルに2-3で惜敗した。23歳の佐藤淑乃がチーム最多34得点の大爆発。2セット連取されてから驚異の粘りで追い付いたが、2010年大会以来となる銅メダルに一歩届かなかった。

 若き金髪ヒロインが躍動した。パリ五輪銅メダリストの猛攻に日本は2セット連続で落とす苦しい展開だった。それでも第3セットから反撃。特に佐藤はスパイク、バックアタック、サービスエースを次々と炸裂し、日本の攻撃をけん引した。

 第4セットも日本は佐藤にボールを集め、背番号26は腕を振るい続けた。難しい体勢からでもブラジル・コートに叩きつけ勝利への執念をみせる。終わってみれば、ブラジルのエースアタッカーであるガビ(35得点)に次ぐ得点をマークして奮闘。惜しくも勝利は掴めず、試合直後に主将の石川真佑に優しくハグされると、感情が溢れて涙が止まらなかった。
 
 メダルを獲得できず悔し涙を流した佐藤。だが試合後、肩を落とす日本のヒロインを励ます微笑ましいシーンがあった。タイ代表のアチャラポーン・コンヨットが佐藤を慰めるように背中をさすりながらハグ。左手に持っていたミッキーマウスがたくさん描かれた茶色い袋をプレゼントした。佐藤は袋の中身を見て驚きのリアクション。コンヨットと言葉を少しかわすと、二人は笑みを浮かべて「バイバイ」と別れた。
 
 このやり取りは五輪公式Xがキャッチ。文面には日本とタイの国旗を添え、「アチャラポーン・コンヨットと佐藤淑乃の友情」と記し、国境を越えた友情に感動していた。

 今大会のホスト国であるタイは大歓声を味方につけ、プールAを2位通過。ラウンド16でプールH首位通過の日本と対戦した。結果は日本がストレート勝ちを収めたが、タイは粘り強いレシーブで3セットとも僅差での争いだった。親日家も多く日本の試合は観客の入りがよく、準々決勝以降は会場で「ニッポン!」コールが鳴り響くほど異例の雰囲気だった。

 大一番で34得点と大爆発した佐藤は「最後の集大成という気持ちだった。100%すべて出そうとコートに入った」とコメント。今シーズンを振り返り、「すごく充実した1年でした。いろんな経験ができた」と話し、将来のエースへ「何段階も成長したい」と前を向いた。

構成●THE DIGEST編集部

【動画】涙の佐藤淑乃を優しくハグ タイ代表女子との温かい友情シーン

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