F1レッドブルの角田裕毅は現地９月19日の第17戦アゼルバイジャンGPフリー走行１回目で６番手のベストタイムをマーク。２戦ぶりのポイント獲得へ好発進した。

　一方で今季レッドブル昇格後14戦でわずか９ポイントしか獲得できていない角田には、来季のシート喪失の報道や噂が絶えない。レッドブルのアドバイザーを務めるヘルムート・マルコ博士はそれらの報道を否定しているが、角田の離脱は既定路線との見方は依然として少なくない。

　そんななか、前日の記者会見では、角田と同じくジュニアチームからレッドブルへ昇格して苦労した経験を持つピエール・ガスリー（アルピーヌ）が、レッドブルでのドライブの難しさについて、角田と「とてもオープンに話し合っている」と明かした。

　記者から改めて角田へのアドバイスを求められると、「状況はそれぞれ違うし、私たち一人ひとりが独自の方法で対処している」と前置きしつつ、以下のように自身の考えを語った。

「結局スポーツにおいて重要なのは自分が発揮するパフォーマンス。だからそれに集中するための最善の方法を見つける必要がある。そのためには『雑音を遮断する』のが重要だ。常に多くの議論や噂が渦巻いているが、それらを頭から離す方法を見つける必要がある」

「毎日目覚めるたびに『どうすれば自分のやっている物事をもっと上手くできるだろうか？』と考えるんだ。順調な時も困難な時も、この問いだけが自分を前進させる原動力になる。彼（角田）が年末までそれを続けてくれると願っているよ」
  　厳しい状況に置かれている角田。しかし兄貴分ガスリーの期待通り、雑音を完全に払しょくできているようだ。専門メディア『CRASH』によると、角田は現在話題となっている憶測について「分からない」とコメント。退団の報道についてだと説明を受けると、「事実ではない」と断じて、自らの現状を説いた。

「噂は（去就に）関係ない。それは噂に過ぎないし、事実じゃない。噂を楽しむのは構わないけど、とにかく僕はこのままドライブを続けるよ」

　また、他陣営への移籍の噂についても「僕自身は何も期待していない」と一言。「他のチームと交渉するのは僕の仕事ではないからね」と語り、以下のように続けた。

「僕の唯一の仕事は、速く運転して結果を出すこと。契約交渉はスタッフやチームに任せるつもりだ。だからこそ、僕は自分自身に集中して運転し、レースごとの進歩を楽しんでいく。ただそれだけを続けていく。彼らに仕事を任せているんだ」

　マルコ博士は第20戦メキシコGPまで来季のドライバー・ラインアップの決定を保留すると示唆している。角田は残り４レース、チーム首脳を納得させるような結果を残せるだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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