９月21日に行なわれたF1第17戦アゼルバイジャンGP決勝はマックス・フェルスタッペン（レッドブル）が独走で制し、今季４勝目を挙げた。前回のイタリアGPに続いてのポール・トゥ・ウィンで鮮やかに連勝を飾っている。この結果により、フェルスタッペンの逆転でのドライバーズタイトル獲得の可能性も囁かれ始めた。

  　アゼルバイジャンではランキングトップのオスカー・ピアストリ（マクラーレン）はスタート直後のクラッシュで早々にリタイヤ。優勝したフェルスタッペンはランキング３位ながらも、ポイントを255まで伸ばしピアストリの324まで69ポイント差に迫った。299ポイントで2位につけるランド・ノリス（マクラーレン）とともに、タイトル争いは三つ巴の状況を迎えつつある。

　ベルギーの公営メディア『Sporza』でも、フェルスタッペンのタイトル戦線急浮上のシチュエーションに関心を寄せており、残り７戦でのタイトル奪取への可能性を論じている。

　同メディアは、「フェルスタッペンはバクー市街地で完璧なレースを披露した。ノーミスで完全にレースを掌握した」とレポート。続けて、「わずか数週間で今季の勝利数を倍増。マクラーレンがミスを重ねる中、レッドブルはアップデートの効果を証明してみせた」として、完勝の結果を称賛している。

　またトピック内では、マクラーレンのアンドレア・ステラ代表が、「マックス・フェルスタッペンはまだタイトル争いにいる」などと語ったとするエピソードを紹介。そのうえで同メディアは、このコメントに対し、「アンドレア・ステラからの明確な警告だ。注目すべきは、彼がその言葉を口にしたのはバクーの前だったという点だ。すでに波乱の週末を予感していたのだろうか」などと綴っている。

　さらに今後を見通し、「残りは７戦と３つのスプリント。フェルスタッペンがタイトルを現実のものにするには完璧に近い戦績が必要だ。それは非現実的なシナリオにも思える」と指摘しながらも、「少なくとも局面は動いた。フェルスタッペンが再びタイトル戦線に姿を現した。シンガポールでマクラーレンを一層追い込むことができるか」として、現王者の勢いを評している。

　まだポイント差は大きいとはいえ、ここに来てのフェルスタッペンのパフォーマンスは、マクラーレン勢にとって大きな脅威に他ならない。シーズンが終盤戦に差し掛かる中、タイトル争いは新たな展開を迎えるのだろうか。

構成●THE DIGEST編集部
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