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ラグビー

「本当に嫌でした。でも断れずに…」二人のJリーガーの兄を持つンドカ ジェニファが楕円球から学んだこと【女子ラグビーW杯】

向風見也

2025.10.04

ナンバーエイトとしてサクラフィフティーンの中核を担うンドカ。(C) Getty Images

ナンバーエイトとしてサクラフィフティーンの中核を担うンドカ。(C) Getty Images

 女子15人制ラグビーのワールドカップが現地時間8月23日よりイングランドであり、同9月28日の決勝は開催国が制した。

 各試合の会場は黒山の人だかり。以前は学校のグラウンドで行なうこともあったというこの大会にあっては、抜群の盛況ぶりだ。

 女子ラグビーシーンの変化を感じさせるこのキャンペーンにあって、サクラフィフティーンこと日本代表は予選プール敗退。長期合宿による鍛錬で強豪国との差を詰めようとしての結果とあり、国内選手のための環境整備を含めた抜本的な改革が求められるとわかった。
 
 爪痕は残した。スペイン代表との最終戦は29―21で制した。

「勝つことしか考えていなかった。(チームで)繋げてトライを獲れたこととか、全てを嬉しく思います」

 こう振り返るのはンドカ ジェニファ。このゲームで大会初出場のナンバーエイトだ。

「常に自信があるというプレーヤーではないのですけど、皆がプラスの声をかけてくれた。たくましい皆の言葉が、自分の自信に繋がりました。今後も、自分はできると自信を持ってサクラフィフティーンを盛り上げていきたいです」

 これからを見据えてこう述べる24歳は、これまでの道のりにも妙味があった。

 父がナイジェリア出身で母が日本人、兄のボニフェイスとチャールスがJリーガーという家族の長女として、バスケットを楽しんだ。埼玉の強豪、昌平高校の3年時には、センターのポジションで全国大会のウインターカップに出た。

 ここで感じたのが、自分の立ち位置だった。

 達成感もあった。

「小、中学校ではバスケで自信があったほうなんですけど、高校では自分よりもうまい人がチームにも試合の相手にもいっぱいいて。そこで頑張って、頑張って、ギリギリ試合に出られるくらいでした」

「大学でバスケをやったとしても、高校より楽しいバスケ生活はないなと思ったんです」

 人生のページを切り替えるタイミングで出会ったのが、楕円球だった。

 高校のラグビー部を教える、御代田誠氏に勧められた。日本スポーツ振興センターによるアスリート発掘プログラムの「J-STAR PROJECT」で、7人制ラグビーに触れてもいた。進学する流経大で、本格的にプレーを始める。

 やがて身体能力抜群のナンバーエイトとしてジャパンのジャージーを着ることとなるが、初めは勝手を覚えるのに必死だった。

「ルールが本当に難しくて。ペナルティーで10メートル下がる時も、皆が下がるから下がる、みたいな。(詳細は)社会人になってやっと覚えたくらいです」
 
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