11月８日、フィギュアスケートのグランプリシリーズ第４戦NHK杯は大阪・東和薬品ラクタブドームで２日目が行なわれ、ペアフリーで“ゆなすみ”こと長岡柚奈／森口澄士組が自己ベストを更新するフリー130.59点をマーク。ショートとの合計で202.11点の４位だった。３位とはわずか1.68点差と初の表彰台まであと一歩だったが、結成３季目の若手ペアが大躍進を遂げた。

　前日のショートプログラムは自己ベストを５点以上更新する会心演技で４位に食い込んだゆなすみ。逆転でのメダルを十分射程圏内に捉え、勝負のフリーに臨んだ。

　冒頭のトリプルツイストを難なく成功。続く３回転ループ＋ダブルアクセル＋ダブルアクセルの３連続ジャンプを決め、勢いに乗った。ジャンプでは３つ目の３回転トウループが２回転に、後半のスロー３回転サルコウは長岡の手がついてしまい減点となったが、後半のグループ５リフトで高いGOE（出来栄え点）を獲得して立て直した。

　最後まで滑り切ったゆなすみに会場はスタンディングオベーションの大歓声。得点が発表されると、会場内はどよめきが起き、２人はキスアンドクライでハグして歓喜。フリーは４点以上を更新、合計点は大台の200点超えを果たした若きペアに大きな拍手と歓声が飛んだ。
  　このあと後半組がゆなすみの得点を上回り、惜しくも表彰台には手が届かなかったが、グランプリシリーズは過去最高の４位になった。

　９月のミラノ・コルティナ五輪最終予選では３位となり、日本の五輪出場ペア２枠目を獲得した“ゆなすみ”。伸び盛りなペアの成長曲線は止まらない。

▼NHK杯ペア結果（カッコ内はフリー得点）
優勝　サーラ・コンティ／ニッコロ・マチー（イタリア）　208.58点（134.89）
２位　マリア・パブロワ／アレクセイ・スビアチェンコ（ハンガリー）　207.28点（134.24）
３位　隋文静／韓聰（中国）　203.79点（129.16）
４位　長岡柚奈／森口澄士　202.11点（130.59）

取材・文●湯川泰佑輝（THE DIGEST編集部）

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