格闘技・プロレス

17歳で女子2冠&興行主 女子プロレス界の新星・稲葉あずさが語る野望「20歳までにやれることは全部やる」「プロレスラーとして後悔しない一生を送りたい」

橋本宗洋

2025.11.17

18歳の誕生日に新宿FACEで自主興行を行なう稲葉ともか。写真:橋本宗洋

 稲葉あずさは17歳のプロレスラーで所属団体JTOの女子2冠チャンピオン、そして"興行主"でもある。

 2023年3月、中学卒業間際にデビュー。姉である稲葉ともかの試合を見てプロレスラーを志した。今年、念願の姉からの勝利を果たし、姉妹ともにスターダムでも活躍。女子プロレス界の未来を担う存在と言っていい。
 

 そんな稲葉は、デビュー直後から自主興行を開催してきた。JTO道場での大会から始まって、昨年はポスト・ディ・アミスタッド川崎で誕生日興行を開催。スターダムの吏南と組んで羽南&稲葉ともかと対戦している。姉妹レスラー同士の"姉タッグvs妹タッグ"対決だ。話題性だけでなく、試合内容もスターダムの岡田太郎社長が絶賛するほどだった。

 稲葉は今年の誕生日にも自主興行を開催する。11月29日、会場は新宿FACE。キャパとしては昨年の数倍だ。大きなチャレンジだが「無理だと言われることほどやってみたくなるんです」と稲葉。いつも「こんな17歳は他にいない」と言われるが、キャリアの近い選手たちにはあらゆる面で負けたくないと言う。

「実力以外でも負けたくないですね。姉のともかも10月に同じ会場で自主興行をやりましたけど、最初にやることを決めたのは私なんですよ。観客動員でも"姉超え"したい」

 18歳の誕生日に新宿FACEでの自主興行。おそらく史上最年少だろう。ただ本人は「そんなに時間があるとは思ってないんです」と意気込む。

「若いことがモチベになってますけど、そこに甘えたり言い訳にしちゃいけないなって。大人になったらできないこともあると思うんですよ」
 若いのに、ではなく若いからこそやりたいことが多い。だから立ち止まっていられない。

「20歳までにやれることは全部やって、そこからまた新しいスタートだと思ってるんですよ。海外でも試合したいし、他団体のベルトも、男子のベルトだって狙いたい。それに将来どうなるかなんて誰にも分からないじゃないですか」

 夢の一つは、アメリカのビッグイベントに出場すること......ではなく、そこでタイトルを防衛することだという。
「それって、ウチ(JTO)のTAKAみちのく代表とイヨ・スカイさんしか実現してないことなんですよね」
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