2025年のF1は残り3戦。すでにコンストラクターズ・チャンピオンシップはマクラーレンが圧倒的な差をライバルにつけて早々に連覇を果たした。ドライバーズ・チャンピオンシップもランド・ノリスとオスカー・ピアストリのマクラーレン同士の一騎打ちで新たな王者が決まるかと思われていたが、終盤に入って過去4度の世界王者経験を持つマックス・フェルスタッペンが猛追し、争いの様相は変わってきた。
しかし直近の2レースは、スプリントも含めてノリスが制した。これで2位のピアストリに24ポイント、3位のフェルスタッペンには49ポイントの差をつけて首位を快走。マクラーレンのダブルタイトルの可能性が高まったものの、最後に一波乱、二波乱が起こる可能性も否めず、最後まで目が離せなさそうだ。
3人のドライバーが王座を争っている現状だが、マクラーレンのアンドレア・ステラ代表は、今季のドライバーのうちの7~8人に個人タイトルを獲得するだけの実力が備わっているとの見解を示している。
「今季のF1における競争力という点で、これほど能力の高いドライバーが揃ったシーズンは他に記憶がない。新世代のドライバーは本当に素晴らしく、今や7~8人のドライバーがチャンピオンシップを狙える域に入っている。過去にここまでの状況があったかどうか、私は自信を持って言えない」
今季のドライバーのレベルの高さは、その実勢からも明らかであり、グリッドに並んだ21人のうちの10人、つまり約半数が優勝経験者で、年間王者は3人(フェルスタッペン、フェラーリのルイス・ハミルトン、アストンマーティンのフェルナンド・アロンソ)。さらに、表彰台に上がった経験があるドライバーとなると、15人に上る。
『GRANDE PREMIO』はまた、全体的にハイレベルであるがゆえに、タイム差にもそれが表われていると指摘し、先週末のブラジルGPでは、予選Q3で10台(7チーム)がわずか0.528秒以内にひしめき合っており、その前のQ1、Q2でも、トップ14台がほぼ同じ差でまとまっていたと紹介している。
こうした状況について、ステラ代表は「おそらく、これは現在のジュニアカテゴリーのレベルの高さによるものだ。彼らはカートを走らせていた頃から、テレメトリーにアクセスできた。10代でも、高いレベルでトレーニングを積んでいる。その結果、競争が極めて激しくなり、違いは最後の1%に表われるのだ」
今季の特徴としては、ルーキーの活躍も挙げられる。メルセデスのキミ・アントネッリは、浮き沈みはあるものの、ここまで早くも2回の表彰台(3位と2位)を達成し、シーズン前には最も期待の低かったアイザック・ハジャー(レーシングブルズ)はオランダGPで3位入賞を飾り、パフォーマンスも安定。その他、オリバー・ベアマン(ハース)、ガブリエル・ボルトレート(ザウバー)も、レースを重ねるごとに、獲得ポイントを増やし、評価を高めている。これらの事実も、ステラ代表の見解を裏付けていると言えよう。
ちなみに、前述の表彰台経験者の件で、逆にまだ3位以内の成績を経験していないドライバーは、ベアマン、ボルトレート、リアム・ローソン(レーシングブルズ)、フランコ・コラピント(アルピーヌ)、ジャック・ドゥーハン(アルピーヌ)、そして角田裕毅(レッドブル)である。
前の5人がいずれもフル参戦1年目であるのに対し、角田は今季5年目で111戦に出走。イギリスGPでニコ・ヒュルケンベルクが239戦目にして初の3位入賞を達成したため、角田は現役では表彰台未経験の期間が最も長いドライバーとなってしまっている。今季序盤でトップチームであるレッドブルに昇格して期待は高まるも、適応に苦しんでポイント獲得すら6戦(25点)に止まっている。非常に厳しい立場に立たされているが、残り3戦で「接戦」から抜け出して自己最高記録(4位)を更新できるかに要注目だ。
構成●THE DIGEST編集部
【動画】不運ルクレール...ピアストリ&アントネッリの接触の煽りを受けてリタイヤ、衝突の瞬間を3つのカメラで
しかし直近の2レースは、スプリントも含めてノリスが制した。これで2位のピアストリに24ポイント、3位のフェルスタッペンには49ポイントの差をつけて首位を快走。マクラーレンのダブルタイトルの可能性が高まったものの、最後に一波乱、二波乱が起こる可能性も否めず、最後まで目が離せなさそうだ。
3人のドライバーが王座を争っている現状だが、マクラーレンのアンドレア・ステラ代表は、今季のドライバーのうちの7~8人に個人タイトルを獲得するだけの実力が備わっているとの見解を示している。
「今季のF1における競争力という点で、これほど能力の高いドライバーが揃ったシーズンは他に記憶がない。新世代のドライバーは本当に素晴らしく、今や7~8人のドライバーがチャンピオンシップを狙える域に入っている。過去にここまでの状況があったかどうか、私は自信を持って言えない」
今季のドライバーのレベルの高さは、その実勢からも明らかであり、グリッドに並んだ21人のうちの10人、つまり約半数が優勝経験者で、年間王者は3人(フェルスタッペン、フェラーリのルイス・ハミルトン、アストンマーティンのフェルナンド・アロンソ)。さらに、表彰台に上がった経験があるドライバーとなると、15人に上る。
『GRANDE PREMIO』はまた、全体的にハイレベルであるがゆえに、タイム差にもそれが表われていると指摘し、先週末のブラジルGPでは、予選Q3で10台(7チーム)がわずか0.528秒以内にひしめき合っており、その前のQ1、Q2でも、トップ14台がほぼ同じ差でまとまっていたと紹介している。
こうした状況について、ステラ代表は「おそらく、これは現在のジュニアカテゴリーのレベルの高さによるものだ。彼らはカートを走らせていた頃から、テレメトリーにアクセスできた。10代でも、高いレベルでトレーニングを積んでいる。その結果、競争が極めて激しくなり、違いは最後の1%に表われるのだ」
今季の特徴としては、ルーキーの活躍も挙げられる。メルセデスのキミ・アントネッリは、浮き沈みはあるものの、ここまで早くも2回の表彰台(3位と2位)を達成し、シーズン前には最も期待の低かったアイザック・ハジャー(レーシングブルズ)はオランダGPで3位入賞を飾り、パフォーマンスも安定。その他、オリバー・ベアマン(ハース)、ガブリエル・ボルトレート(ザウバー)も、レースを重ねるごとに、獲得ポイントを増やし、評価を高めている。これらの事実も、ステラ代表の見解を裏付けていると言えよう。
ちなみに、前述の表彰台経験者の件で、逆にまだ3位以内の成績を経験していないドライバーは、ベアマン、ボルトレート、リアム・ローソン(レーシングブルズ)、フランコ・コラピント(アルピーヌ)、ジャック・ドゥーハン(アルピーヌ)、そして角田裕毅(レッドブル)である。
前の5人がいずれもフル参戦1年目であるのに対し、角田は今季5年目で111戦に出走。イギリスGPでニコ・ヒュルケンベルクが239戦目にして初の3位入賞を達成したため、角田は現役では表彰台未経験の期間が最も長いドライバーとなってしまっている。今季序盤でトップチームであるレッドブルに昇格して期待は高まるも、適応に苦しんでポイント獲得すら6戦(25点)に止まっている。非常に厳しい立場に立たされているが、残り3戦で「接戦」から抜け出して自己最高記録(4位)を更新できるかに要注目だ。
構成●THE DIGEST編集部
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