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競馬

レガレイラでも、ダノンデサイルでもない…過去10年“3つのデータ”から導き出される暮れのグランプリホースとは?【有馬記念】

三好達彦

2025.12.27

皐月賞馬のミュージアムマイル。暮れのGP制覇を狙う。写真:産経新聞社

皐月賞馬のミュージアムマイル。暮れのGP制覇を狙う。写真:産経新聞社

 12月28日、暮れの大一番にして、ファン投票にもとづくグランプリレースの有馬記念(GⅠ、中山・芝2500m)が行なわれる。

 ズバリ今年は「三強」による争いだと見ている。その三強とは、GⅠレース3勝馬で連覇を狙うレガレイラ(牝4歳/美浦・木村哲也厩舎)、GⅠ2勝馬でジャパンカップ(GⅠ)3着から臨むダノンデサイル(牡4歳/栗東・安田翔伍厩舎)、秋の天皇賞(GⅠ)で僅差の2着に食い込んだ今年の皐月賞馬ミュージアムマイル(牡3歳/栗東・高柳大輔厩舎)である。

 まずこの3頭を過去10年のデータでソートを掛けながら順位付けしていく。

 年齢の面で優勢なのは3歳馬で、〔5・2・3・16〕と連対率は27%を記録。〔3・5・1・34〕で連対率19%という4歳の記録を上回っている。ちなみに5歳馬は〔2・2・5・44〕で連対率は8%、6歳馬は〔0・1・1・20〕で連対率は5%、7歳以上は〔0・0・0・15〕で連対率は0%だ。この点ではミュージアムマイルが一歩リードとなる。

 性別で見ると、牡馬/せん馬が〔7・7・7・98〕で連対率12%、牝馬が〔3・3・2・31〕で連対率は15%と、やや牝馬が優勢。レガレイラには少し有利な点だ。

 ステップレース別に見ると、天皇賞(秋)が〔3・2・1・12〕で連対率が28%、ジャパンカップが〔2・3・4・41〕で連対率は10%、エリザベス女王杯が〔1・2・1・21〕で連対率は12%と、天皇賞からという臨戦過程が他を圧している。これはミュージアムマイルに心強いデータだ。

 この3つのデータから補強されているように、本命には今が伸び盛りのミュージアムマイルを指名する。相変わらず距離不安が囁かれる本馬ではあるが、同年の皐月賞馬の有馬記念における成績は〔1・1・0・2〕と優秀。そして斤量の56㌔も有利なことは言うまでもない。
 
 3つのデータでのソート結果だと、対抗にレガレイラを取り上げるのが自然だろうが、引っ掛かるのは本馬が昨年優勝を果たしたときの斤量は54㎏と、古馬牡馬とは4㎏の差があるなかで成し遂げられた壮挙だった。翻って今年の斤量は56㎏で、ミュージアムマイルとは同斤、ダノンデサイルとの比較でも2㎏と差が縮まる。この点を勘案して、レガレイラは3番手とし、2番手にはダノンデサイルを取り上げたい。

 ダノンデサイルにはいくつかの強調材料があるが、やはり一番心強いのはレガレイラもお手馬にしていた戸崎圭太騎手が本馬を選択したことだろう。戸崎騎手はこの点について共同記者会見で「体が二つあったら嬉しいのに、と思いました。(ダノンデサイルを選んだのは)ドバイシーマクラシックの走りがとても強かったなと思ったからです。その感触と力をまた出すことができれば良いな、と思ってダノンデサイルに乗せていただきます」とコメント。そのドバイでダノンデサイルが下したのは、今年のジャパンカップをレコードタイムで制したフランスのカランダガンなのだから、納得の選択だと言えるだろう。

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