専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
その他

「絶望の淵に追い込まれた…」と中国紙が危惧! “孫楊ショック”による莫大な経済損失額とは

THE DIGEST編集部

2020.03.01

中国の国民的英雄である孫楊。その周辺には当然のごとく巨額の“カネ”が渦巻いている。(C)Getty Images

中国の国民的英雄である孫楊。その周辺には当然のごとく巨額の“カネ”が渦巻いている。(C)Getty Images

 中国スポーツ界きってのスーパースターが窮地に追い込まれた。

 金曜日にスポーツ仲裁裁判所(CAS)が公式サイトで発表したのは、競泳男子の孫楊(中国)にかけられていた嫌疑の裁定だ。世界アンチ・ドーピング機関(WADA)からの告発を受けていた国際機関は、2018年9月のドーピング抜き打ち検査時に、採集した血液の容器を孫楊側がハンマーで破壊したと断定。8年間の資格停止処分を言い渡した。

 孫楊はその日のうちにすぐさま猛反論。裁定に対して怒りを露にし、最後の望みをかけてスイス連邦最高裁判所に提訴する意思を示した。

 一連の動きを受けて、中国紙『新京報』は「どうやら(孫楊側の)旗色が悪い。もし最後のトライアルに失敗すれば、経済損失は莫大になる」と指摘し、次のように論じている。

「中国代表チームの主将で3つの五輪金メダルを持つ英雄は、2018年に“中国でもっとも商業価値の高いアスリート”に選ばれた。ざっと挙げただけでも『361度』『コカ・コーラ』『ジーリー』など国内外を代表するブランド企業とスポンサー契約を結んでおり、もし突然の“引退”となってしまったなら、どれだけの経済損失をもたらすのか、想像もつかない。もはや待ったなしの絶望の淵に追い込まれた」
 同紙が例として挙げたのは、2004年アテネ五輪の陸上110メートルで金メダルを獲得した劉翔のケースだ。現在の孫楊と同様に国民的英雄となっていた彼は、連覇をかけて08年北京五輪に臨んだが、怪我を理由に予選で棄権した。国民からバッシングを受けたうえに、スポンサー代やグッズ販売、テレビ放映権料などを合わせて10億元(約155億円)の損失を出したとしている。

『新京報』紙は「その後、劉翔は4年後のロンドン五輪を戦ったが、もはや誰も見向きもせず、スポンサードする会社も激減していた」と評し、「今回の孫楊の損失額は劉翔ほどではないにせよ、数億元になるのは必至だ」と結んでいる。

 はたして孫楊は28歳にして、そのキャリアに幕を閉じることになるのだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

【画像】五輪金メダリストの孫楊が記念撮影を拒否した選手を恫喝! その決定的写真はこちら!
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号