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格闘技・プロレス

井上尚弥vs.中谷潤人の“前座”で好勝負! ハイレベルな攻防に反響「こんなに面白い試合ってあるんだ」「先を読み合う心理戦。静かなる大接戦」

野口一郎(THE DIGEST編集部)

2026.05.03

阿部(左)が果敢に攻め、下町(右)が迎え撃った一戦。軍配は僅差で下町に上がった。写真:梅月智史(THE DIGEST写真部)

阿部(左)が果敢に攻め、下町(右)が迎え撃った一戦。軍配は僅差で下町に上がった。写真:梅月智史(THE DIGEST写真部)

 日本ボクシング史上に残るビッグ興行は、“前座”にも好カードが組まれていた。

 5月2日、東京ドームでダブル世界タイトルマッチが開催された。メインは、世界4団体スーパーバンタム級統一王者の井上尚弥(大橋)に世界3階級制覇王者の中谷潤人(M.T.)が挑んだ同級統一戦。2つ目は、WBCバンタム級王者の井上拓真(大橋)に世界4階級制覇王者の井岡一翔(志成)が挑戦した。2戦とも、井上兄弟が判定勝利で王座防衛に成功した。

 約5万5000の観客席がすべて埋まり、前日に後楽園ホールで行なわれた有観客計量のチケットも完売だったビッグイベントでは、それ以外の試合でも見どころが多数あった。3つの地域タイトルマッチが、いずれも接戦の判定決着となり、ノンタイトルマッチでも好勝負が生まれた。

 その中でもボクシングファンを唸らせたのは第3試合で、前日本フェザー級王者の阿部麗也(KG大和)と、元日本スーパーバンタム級王者・下町俊貴(グリーンツダ)のフェザー級10回戦だ。世界王座挑戦や二度の日本タイトル獲得の経験がある33歳の阿部と、日本スーパーバンタム級王座を4度防衛後に階級を上げた29歳の下町。実力派サウスポー同士のカードは、戦前からファンの注目を集めていた。

 本番は、期待にたがわぬハイレベルな技術戦になった。179センチの下町と対峙した172センチの阿部は、さらに重心を下げて左ボディを起点に多彩なパンチを当てると、巧みなフットワークで的を絞らせない。対する下町は迎え撃つ形で、左ストレートや左アッパーなどをヒットさせる。
 
 テクニカルな攻防は、互いにクリーンヒットをなかなか許さないまま、緊迫感を持って進んでいった。両者とも、自身を追い込んで過酷なトレーニングを積んできたのだろう。キビキビとした攻防は、最終10ラウンドまで続いた。

 結果は、2者が96対94で下町、1者が95対95の引き分けにより、2対0で下町に軍配が上がった。両雄ともに決定打を打たせなかった展開に採点の困難さを感じたボクシングファンも多かったようで、SNS上では「中盤取って阿部選手かなと思ったけど...終盤の下町選手への評価かな」「阿部選手の出入りとノーモーションの左、ボディをもっと評価してほしかった」「シーソーゲームだったから、納得」「まさに際どい一戦でした」といった声が上がった。

 また、両者が披露した魅力的なボクシングには「さほど有効打が多くないのに こんなに面白い試合ってあるんだと思った!」「先を読み合う心理戦。 まさに静かなる大接戦。 見応えあるいい試合でした」「めっちゃおもしろい試合だったな!」など、称賛のコメントも見られた。

 KOだけがボクシングの華ではない。競技の奥深さを魅せた下町と阿部のファイトは、少なからずファンを魅了した。

取材・文●野口一郎(THE DIGEST編集部)


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