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競馬

スピード+タフさも要求される府中のマイル戦 “二強対決”が濃厚も一角崩し候補は東京巧者のベテラン馬【ヴィクトリアマイル】

三好達彦

2026.05.16

タフさも要求される府中のマイル戦。本命はカムニャックだ。写真:産経新聞社

タフさも要求される府中のマイル戦。本命はカムニャックだ。写真:産経新聞社

 5月17日、春の古馬牝馬チャンピオン決定戦にあたるヴィクトリアマイル(GⅠ、東京・芝1600m)が行なわれる。

 戦前の評判は“二強対決”。つまり、昨年の牝馬三冠を分け合った2頭のGⅠホース、桜花賞(GⅠ)と秋華賞(GⅠ)を制したエンブロイダリー(牝4歳/美浦・森一誠厩舎)、オークス(GⅠ)に勝ったカムニャック(牝4歳/栗東・友道康夫厩舎)である。今年はGⅠホースとして他に、一昨年のオークス(GⅠ)、秋華賞を制したチェルヴィニア(牝5歳/美浦・木村哲也厩舎)が出走するが、近走は不振をかこっており、能力通りの評価はし難い現状。ゆえに、今年のヴィクトリアマイルが“二強”であることに間違いはないだろう。
 
 では、“二強”の後先(あとさき)はどう決めればいいのか。そのひとつの指標となる「東京実績」を比べてみると、エンブロイダリーは〔2・1・0・1〕、一方のカムニャックは〔2・0・0・1〕でほぼ互角。そこで直接対決になった前走の阪神牝馬ステークス(GⅡ、阪神・芝1600m)では、エンブロイダリーが逃げ切って優勝。先団から追走したカムニャックはそれをつかまえ切れず、わずかクビ差で2着という結果に。しかし着順はエンブロイダリーが上だが、彼女が1000mの通過が58秒1という理想的なミドルペースに恵まれたことを考えれば、カムニャックは互角がそれ以上の能力を示したと考えられよう。スピードだけではなく、タフさも要求される府中のマイル戦においてこの要素は大事で、本稿では本命がカムニャック、対抗はエンブロイダリーという順に評価としておく。

 ただし、この2頭には同様なウィークポイントがある。レースが近づくにしたがってテンションが上がりすぎてしまう、いわば気性の問題だ。記者会見で、カムニャックの友道康夫調教師は「馬房の中では落ち着いているのですが、競馬に行くとすぐスイッチが入ってテンションが上がるようなところがありますので、そこだけは注意しています」と語り、エンブロイダリーの森一誠調教師は「去年のオークスのときに少し入れ込んで大敗してしまいましたので、いかに良い精神状態で(騎手に)バトンを渡せるかというところだと思います」とコメントしている。

 レースの開始を告げるファンファーレやファンの歓声を聴いて興奮した仕草を見せる馬が少なからずいるのは周知の事実だが、JRA競走馬総合研究所の調査では、競馬場の出張馬房に入り、遠くから聴こえる歓声を耳にしただけで心拍数が上がることが確認されている。ゆえに、サラブレッドの聴覚や空気を感じる能力はとても繊細だ。この“二強”とて例外ではなく、一角が崩れる可能性はあると見る。
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