モータースポーツ

「退屈すぎて、不安に」と、MotoGPのエスパルガロ兄が、突如頭にバリカンを!実はレース界で“坊主頭”がブーム

甘利隆

2020.04.10

バリカンでさっぱりと坊主頭になったエスパルガロ。(C) Geyyt Images

 新型コロナウイルスからの感染予防のため、特に被害の大きいヨーロッパを中心に世界中で多くの人が自宅に籠らざるを得ない状況が続いているが、中には変わった方法でストレスを解消するトップアスリートもいるようだ。

 MotoGPのアプリリア・レーシング・チーム・グレシーニに所属するアレイシ・エスパルガロは「退屈すぎて、不安になってきたよ…」とのコメントとともに、いきなり坊主頭にする姿をSNSへとアップした。
 
 まだ2歳に満たない双子のマックス君とミアちゃんが小さな手でバリカンを持ち、パパの髪を刈る真似をする微笑ましい写真を投稿すると、友人の自転車選手アイラン・フェルナンデスが「ノーコメント…(笑)」と反応。2018年のMoto3チャンプ、ホルヘ・マルティンやMoto3を戦うガブリエル・ロドリゴといったライダー仲間は、"負けてたまるか"とばかりにユニークに短く刈ったヘアスタイルで対抗した。旧知のモータースポーツ・ジャーナリスト、サイモン・パターソンにいたっては自分も丸刈りにしてしまった。
 
 弟のポルもMotoGPクラスで走るスペイン出身の30歳は、2009年、プラマック・レーシングからMotoGPクラスに代役デビューする。Moto2クラスの名門ポンス・レーシングやフォワード・レーシングなどを経て、2015年にはスズキ・ファクトリーへと加入。2017年からはアプリリア陣営で奮闘している。

 マシンのポテンシャル不足から、ここ数年の成績は芳しくないが、2020年型のマシンは出来が良く、カタールでのプレシーズンテスト終了後には「競争力があると感じたよ! 僕らの前を走れるライダーはそれほど多くないはずさ」と手応えを語っていた。

 実はマクラーレンF1のランド・ノリスも坊主頭にしたばかりだ。こちらはチャリティーの一環で、参加したオンラインでのeスポーツイベントのストリーミング中に1万ドルの寄付が集まったら"頭を剃る"ことを約束。金額が1万2千ドル以上に達したため、カメラの前で約束を果たした。

 集まった寄付金は全額『COVID-19 Solidarity Response Fund(COVID-19連帯対応基金)』に寄付され、WHO(世界保険機構)による感染拡大防止や治療へつながる支援活動に役立てられるという。

 もっともノリスは元々こういった賭けが好きなのか、2019年シーズン中も同僚のカルロス・サインツと"どちらが早く表彰台に立つか?"を競い合っており、サインツが11月のブラジルGPで先に3位に入ったため、その際にも髪をカットしている。

文●甘利隆
著者プロフィール/東京造形大学デザイン科卒業。都内デザイン事務所、『サイクルサウンズ』編集部、広告代理店等を経てフリーランス。Twitter:ama_super

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