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ゴルフ

勝みなみは小さくまとまらない!「いろいろあるからゴルフは面白い」に込められた想い【黄金世代の歩み】

山西英希

2020.06.02

15歳と293日というツアー最年少優勝記録を持つ勝みなみ。しかし、2勝目までは想像以上に時間がかかった。(C)Getty Images

15歳と293日というツアー最年少優勝記録を持つ勝みなみ。しかし、2勝目までは想像以上に時間がかかった。(C)Getty Images

 国内女子ツアーでの活躍が目覚ましい黄金世代だが、すべては勝みなみの1勝から始まった。15歳と293日で臨んだ14年のKTT杯バンテリンレディスオープン、ハツラツとしたプレーでバーディを重ねていき、通算11アンダーでツアー初優勝を飾る。史上4人目となるアマチュアでの優勝は、同時にツアー最年少優勝記録をも更新。マスコミから脚光を浴び、一躍時の人として世間からも注目された。

 優勝した権利ですぐにでもプロに転向することはできたが、アマチュア競技で獲得したいタイトルも残っており、あえてプロの道を選ばなかった。その狙いどおり、同じ年に日本ジュニアのタイトルを獲得すると、翌年には日本女子アマと日本女子オープンローアマのタイトルに輝く。まさに同世代の選手にとっては格好の目標となり、世代全体のレベルアップにひと役買ったことは言うまでもない。
 
 プロには転向しなかった勝だが、推薦出場によりツアー競技には数多く出場することができた。アマチュア競技から卒業した16年にはツアー競技だけで20試合を超えたほどだ。ツアーにフル参戦したのは18年からなのに、どこかフレッシュさを感じさせない理由はそこにあるのかもしれない。

 当然、プロ初優勝も時間の問題だと思われたが、17年のプロテスト直後に開催された下部ツアーの試合で1勝を挙げただけで、レギュラーツアーでは18年シーズンを迎えても勝つまでには至らなかった。特に、夏の終わりから秋にかけての9試合で予選通過が1試合という不調に陥った。「正直、もう試合に出たくないなと思っていましたね」というほど落ち込んだが、家族の支えやファンの応援もあり、なんとか気持ちを切り替えることができた。自分なりにスイングを見直し、ショートゲームの練習に時間を費やすことで徐々に調子も戻ってきた。すると、シーズン終盤に開催された大王製紙エリエールレディスでついにプロ初優勝を飾る。15歳での優勝から実に4年と7か月が経過していた。

 翌19年は序盤の10試合で2勝し、トップテン入りも7回を数えた。いよいよ本領発揮かと思われたが、それ以降の試合では勝ち星を挙げることができず、賞金ランキングも前年度より1ランク下げた10位に終わる。それでも2年連続賞金ランキングでトップテン入りしているのは鈴木愛と申ジエ、そして同期の小祝さくらしかいないことを考えれば、決して悲観する成績ではないだろう。
 

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