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ゴルフ

止まらなかった悔し涙…重圧に苦しんだ高橋彩華が初のシード権を獲得するまで【黄金世代の歩み】

山西英希

2020.06.04

ニチレイレディスでの優勝争いが、高橋を精神的に成長させたのは間違いない。(C)Getty Images

ニチレイレディスでの優勝争いが、高橋を精神的に成長させたのは間違いない。(C)Getty Images

 アース・モンダミンカップ(6月25~28日)の開催が決まり、いよいよ開幕する国内女子ツアー。今年、黄金世代でツアー初優勝を飾りそうなのが、初シード選手の高橋彩華だ。高3で臨んだ16年の日本女子アマでは、その3カ月後に日本女子オープンを制する畑岡奈紗に3打差をつけて優勝。日本アマチュアゴルフランキングの女子部門で1位になった経験を持つ。

 高校を卒業すると、最初に受けたプロテストこそ失敗したが、最終予選会で22位に入り、18年度のツアー出場権を得る。しかし、パッティングの不調が原因で出場29試合中予選通過が12試合しかなく、賞金ランキング92位に終わった。ただ、7月に受けた2度目のプロテストで合格したことと、11月の最終予選会で28位となり、19年度のツアー出場権を獲得したことは明るい材料だった。
 
 19年も開幕戦から不振が続き、出場9試合で予選通過がわずかに1試合あるだけだった。その原因は安定しないドライバーショットとイップス気味のパッティングにあった。しかし、現在も師事する奥嶋誠章コーチが高橋のゴルフを見るようになった途端、風向きが変わる。ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップで自己最高の13位タイでフィニッシュすると、6月の宮里藍サントリーレディスオープンで10位タイに。課題だったドライバーショットとパッティングに対する不安も消えかけていた。そして迎えたのが翌週のニチレイレディスだ。

 初日に5アンダーをマークして首位タイに並ぶと、2日目もスコアを伸ばし、9アンダーで単独首位に立つ。プロ初の最終日最終組でのラウンドとなったが、優勝を争う同組の鈴木愛に対して臆することなく、自分のプレーに集中した。しかし、9番ホールで3パットのボギーを叩いてからペースを乱す。後半はスコアを伸ばせず、鈴木とのプレーオフへ突入した。1ホール目、ティショットを左に曲げたことが響いてパーに。バーディを奪った鈴木に軍配が上がった。

 試合後、高橋の目から悔し涙が止まらなかった。「9番は何でもないところからの3パットですからね。あれで流れが悪くなり、その後スコアを伸ばすことができませんでした。プレーオフもドライバーショットのミスだし、緊張した場面になると本当の力が出るんですね。明らかに練習不足です」と唇をかむ。
 

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