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ゴルフ

吉本ひかるが悔いを残した2つの試合。「痛恨の1打」をなくせば初優勝は見えてくる【黄金世代の歩み】

山西英希

2020.06.06

吉本は、このオフもトレーニングを重ねてパワーアップを図ってきたという。(C)Getty Images

吉本は、このオフもトレーニングを重ねてパワーアップを図ってきたという。(C)Getty Images

 昨年、序盤戦の主役となったのが吉本ひかるだ。優勝こそなかったものの、8試合を終えた時点でトップテン入りが5回。そのうち2位が2回といつ勝ってもおかしくないぐらいの勢いだった。夏場以降は優勝争いに絡む機会が少なく、最終的に未勝利の賞金ランキング28位に終わったが、初シードを獲得したという意味ではまずまずの1年だったように見える。しかし、本人にしてみれば、悔やんでも悔やみきれないシーズンだった。

 悔いが残る試合は2つある。1つが4月末に開催されたフジサンケイレディスクラシックだ。大会前に6番アイアンでのハーフショットを徹底的に練習し、アイアンショットの精度に自信を持って臨んだとあって、2日目を終えた時点で2位以下に2打差をつけての単独首位に立った。ところが、最終日は前半のハーフでボギーを3つ叩いたのが響いてスコアを1つ落とす。なんとか後半のハーフをパープレーにまとめたが、この日63をマークした申ジエに逆転を許し、2位タイに終わった。緊張はしなかったと言うものの、前日までの安定したセカンドショットが見られず、自分の持ち味を生かして切れなかったのは間違いない。
 
 2つ目の悔恨試合は9月に開催された日本女子プロゴルフ選手権だ。大会2日目、17番パー3でホールインワンを決め、3位でフィニッシュすると、翌3日目にはスコアを5つ伸ばして単独2位に。2打差の首位にいるのは、同じ黄金世代の畑岡奈紗だった。プロとしての実績では負けているものの、ジュニア時代から同じ試合で何度も戦ってきた相手でもある。当然負けたくない気持ちで最終日に臨んだ。

 ところが、悪夢のような1打が待ち受けていた。7番パー5の第2打だ。ラフに沈んでいたため、150ヤードぐらいを打つもりでスイングすると、芝の影響でボールは左サイドのOBゾーンへ。このホール、結局9として大きく後退。最終的に23位タイにまで順位を落とした。

 振り返ってみると、肝心なところで痛恨の1打を放つのはジュニア時代にもあった。16年の日本女子アマがそうだ。前週、国内女子ツアーの下部ツアーであるステップアップツアー・ルートインカップ上田丸子グランヴィリオレディースにエントリーすると、史上4人目となるアマチュアでの同ツアー優勝という快挙を達成。その勢いで悲願の日本タイトル獲得を狙っていた。初日を2位タイでスタートすると、2日目には早くも首位に。「先週の試合で自分のゴルフに自信が持てたし、1打に集中できています」と、手応え十分という感じだった。
 

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