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モータースポーツ

「大丈夫、治るから」同じ病を克服したバイクレーサー青木宣篤が、ペナルティ・ワッキーにエール

甘利隆

2020.06.13

同じ病を患いながらも、昨年の鈴鹿8耐を完走した青木宣篤がワッキーさんへエールを送った。(C)Getty Images

同じ病を患いながらも、昨年の鈴鹿8耐を完走した青木宣篤がワッキーさんへエールを送った。(C)Getty Images

 お笑いコンビ『ペナルティ』のワッキーさんが、初期の中咽頭がん(ステージ1)を患い、治療に専念するため休養することを公表したが、モータースポーツ界からも応援の声が上がった。

 モーターサイクルロードレースの青木宣篤は、「大丈夫、治るから」とタイトルをつけてブログを更新し、その中で自らも昨年に同じ病気で2カ月半入院していたことを告白した。

 2019年1月、首の右側に違和感を感じて地域の総合病院に行き、大学病院でワッキーさんと同じステージ1の診断が出たのが5月上旬。医師からレース後すぐ治療に専念することを条件に許可を得て、7月末の鈴鹿8耐に参戦し、SST(スーパーストック)クラスで4位、総合27位で見事完走を果たした。

 事前のトレーニング、練習走行ではいつもどおりだったものの、本番のレース中に強い疲労感を覚え、3回の走行予定を2回に減らし、チームメイト、スタッフに導いてもらっての結果だったという。

 青木三兄弟の長兄として知られるベテランは、1997年にWGP(現在のMotoGP)の最高峰、500ccクラスでランキング3位を獲得するなど、長年さまざまなレースで活躍しており、スズキ・ファクトリーやブリヂストンでの豊富なテストライダー経験から紡ぎ出される的確でわかりやすい解説にも定評がある。
 
「同じ病。経験者として病状を共有出来たらと思います」と病気について触れた自身のSNSへの投稿には、ファンや関係者からの「昨年の8耐ピットウォークでお会いした際は、微塵も感じさせない雰囲気でしたが、影では相当ご苦労されていたんですね」「鈴鹿でも間瀬でも全くそんな素振りを見せず、こっちも全く気付きませんでした…」といった驚きの声に加え、「抗がん剤治療はとても辛いのを聞いています。私は宣篤さんとは別部位にがんがあり、去年全摘し、運良く転移が無かったので抗がん剤治療はしなくて済みました」「場所は違うけど、がんの手術、治療した人にしかわからない気持ちってありますからね」など、共感のコメントも見られた。

 ブログは「今年で最後の8耐になると思いますが、頑張りたいと思います」と結ばれているが、「8耐で毎回お見掛けするので大丈夫だと思ってました。最後の8耐と言わず頑張ってくださいね!」と応援もあるとおり、8月に49歳を迎えるロードレース界の賢者が走る姿は、同じ病気に苦しむ人や同世代の人間への力強いメッセージとなることだろう。

文●甘利隆
著者プロフィール/東京造形大学デザイン科卒業。都内デザイン事務所、『サイクルサウンズ』編集部、広告代理店等を経てフリーランス。Twitter:ama_super

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