専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
ゴルフ

渋沢栄一との血縁関係が話題を呼んだ有望株。「30.8倍」のプロテストに一発合格した澁澤莉絵留の実力は本物だ【プラチナ世代の歩み】

山西英希

2020.06.16

澁澤は3歳上の兄・克海さんの影響で9歳からゴルフを始めたという。(C)Getty Images

澁澤は3歳上の兄・克海さんの影響で9歳からゴルフを始めたという。(C)Getty Images

 渋野日向子が歴史的快挙を達成したAIG全英女子オープンと同週、国内で開催されていたトーナメントが大東建託・いい部屋ネットレディスだった。初日に続いて2日目も雷雨に見舞われてサスペンデッドとなり、107人が第2ラウンドを終了できなかった。そんな中2ホールを残しながら、首位と2打差の2位でこの日を終えたのが澁澤莉絵留だ。

 プラチナ世代の18歳ということに加え、24年から新一万円札の新しい顔になる渋沢栄一と縁戚関係にあると分かり、一気に注目を浴びた。聞けば、父方の遠い親戚に当たり、澁澤にもかすかにDNAが受け継がれているとのこと。決勝ラウンドではスコアを伸ばせず、ベストアマの座を同期の古江彩佳、西村優菜に奪われたが、3カ月後のプロテストでは、きっちりと6位タイで合格している。
 
 澁澤は3歳上の兄・克海さんの影響で9歳からゴルフを始める。一緒に練習場へ行ったときに、克海さんがボールを打つ姿がカッコよく見え、自分もやってみたいと思った。スクールに通い、基本から学んだが、運動神経もよかったせいか上達は早いほうだったという。小5のときに“TEAM KGAジュニア選考会”の特別育成選手に選ばれると、小6では米国フロリダ州にあるIMGゴルフアカデミーに派遣される。男女2人限定だったが、女子のもう1人は吉田優理だった。吉田の上手さにも驚いたが、それ以上に米国のゴルフにカルチャーショックを受ける。

「自分はヒョロヒョロなのに、米国人はがっちりとした体型だったんです。練習場もありえないほど広く、しかもトーナメント会場みたいな芝の上からボールを打てるんですよね」

 これまで自分が経験してきたものとはまるで違う環境に、感じたところがあったのだろう。帰国後に入学した中学では陸上部に入り、しっかりと体を鍛えてゴルフに生かしたいと考えた。さらに、いつかは海外でプレーしたいという気持ちも芽生えてきた。

 中学を卒業すると、地元の群馬県を離れ、福岡県の沖学園に進学する。「関東よりも日が長いので、たくさん練習できるから」というのが理由だった。全国大会で何度も優勝を飾っている名門校だが、同校ではチームメイトとなった後藤未有とともに、1年生からレギュラーとして活躍した。個人戦では高1のときに九州高校ゴルフ新人戦で優勝。高3のときに全国高校ゴルフ選手権と日本ジュニアで3位に入っている。毎朝6時半からのランニングやトレーニングに加え、イ・ボミのコーチを務めたチョ・ボムス氏の指導を受けたことで、ドライバーの飛距離は平均250~260ヤードを誇ったという。
 

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号