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ゴルフ

4歳からはじまったゴルフ人生。ムードメーカー後藤未有が進む「プロテスト失敗→米女子ツアー」への道【プラチナ世代の歩み】

山西英希

2020.06.15

後藤は自分自身のゴルフスタイルを超攻撃的だと言う。(C)Getty Images

後藤は自分自身のゴルフスタイルを超攻撃的だと言う。(C)Getty Images

 昨年の最終プロテストで、後藤未有は合格ラインに1打及ばず涙を飲んだ。3日目を終えて43位タイという苦しい位置にいたが、最終日に71をマークして追い上げただけに、悔やんでも悔やみ切れない4日間だった。ただ、合格ラインから2打差以内の選手には、予選会の出場権が与えられるため、今季のツアー出場へ望みをつなげたことは不幸中の幸いだろう。最終予選会では3日目を終えて48位タイ。プロテスト同様に最終日の巻き返しを期待したが、逆にスコアを2つ落とし、64位に。レギュラーツアーの出場は厳しいが、とりあえずステップアップツアーへの出場権は獲得できた。

 後藤が初めてゴルフクラブを手にしたのは4歳と早かった。小児ぜん息で入院していた際、宮里藍がコマーシャルに出ている姿を目にしたのがきっかけだ。宮里がプロゴルファーだと聞き、自分もゴルフをしたいと思ったと言う。退院後、ゴルフスクールに通い、間もなくして桜美ゴルフハウスで篠塚武久氏に教わるようになる。篠塚氏は男子プロの時松隆晃の師匠でもあり、10フィンガーグリップの提唱者でもある。野球のバットを握るようにゴルフクラブを握るスタイルだが、後藤は今でもそのグリップで握っている。
 
 福岡出身の後藤はレベルの高い九州で腕を磨いただけあり、小学5年のときにはすでに全国大会で上位に入る活躍を見せていた。中学時代はアジアジュニア親善ゴルフ大会、オールジャパンアマチュアレディス、ジャカルタワールドジュニアなどで優勝を飾り、高校は名門・沖学園に進学した。1年生からレギュラーとして活躍し、高2の全国高校ゴルフ選手権では個人戦で2位に入るなど、周囲の期待に応えた。

 しかし、後藤の知名度が一気に上がったのは、高3のときに出場した日本女子オープンだろう。2日目を終えて首位と3打差の5位タイにつけたことで、畑岡奈紗に続く史上2人目のアマチュア優勝を飾るかと注目が集まった。

 この年、後藤は九州女子アマで2度目の優勝を飾り、日本女子アマでも7位に入るなど好調ではあったが、それ以上に過酷な経験が後藤のゴルフをブラッシュアップした。日本女子オープンの前週にスコットランドへ遠征したときの話だ。あまりにもひどい天候とハードなコースセッティングに悩まされ、自分のゴルフができなかったと言う。しかし、必死に4日間戦い抜いたおかげで、本来なら厳しいはずの日本女子オープンのコースセッティングがやさしく感じられた。決勝ラウンドではスコアを伸ばせなかったが、それでも8位タイに踏み止まり、見事ローアマ獲得に成功する。
 

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