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日本代表合宿が再開。五輪初の卓球ミックスダブルス、水谷隼&伊藤美誠「じゅんみま」メダルの可能性

辛仁夏

2020.06.23

東京五輪に初採用される卓球のミックスダブルス。水谷の父が代表を務める卓球スポーツ少年団の先輩後輩という間柄であり、プレースタイルとしてもバランスのいいペアだ。(C)Getty Images

東京五輪に初採用される卓球のミックスダブルス。水谷の父が代表を務める卓球スポーツ少年団の先輩後輩という間柄であり、プレースタイルとしてもバランスのいいペアだ。(C)Getty Images

 5月下旬に新型コロナウイルスにおける緊急事態宣言が解除されたことを受けて、少しずつではあるが、日本社会もスポーツ界も動き始めた中で、6月22日から日本卓球協会は日本代表合宿を約1か月間行なうと発表した。しかし、新型コロナウイルス感染防止の観点から、合宿開始から一定期間(10日間)、ダブルス練習は禁止する措置が取られるという。

 そんな情勢の中で、来年7月開幕となる東京五輪に向けた仕切り直しの日本卓球界で一番の注目は、同五輪で初採用されるミックスダブルス代表に選出された伊藤美誠と水谷隼のペアだ。

 伊藤は世界ランキング2位(2020年4月現在)にまで上り詰めてシングルス代表切符を獲得するなど成長著しい19歳で勢いに乗っている。晴れ舞台の1年延期も、伊藤にとってはさらに強くなれる絶好の機会となり、2歳で始めた幼少時から掲げる「世界チャンピオン」になるという大きな目標の実現により近づけるはずだ。初出場だった2016年リオデジャネイロ五輪では団体銅メダルに貢献して、15歳300日での五輪メダル獲得は卓球史上最年少記録という快挙だった。

 リオ五輪後は燃え尽き症候群になって、練習に身が入らない時期もあったが、翌17年の全日本選手権で5回戦敗退を喫して目が覚めた。気合を入れなおして練習に取り組み、とかく卓球では相性の良し悪しで勝敗が決まる競技性と言われる中で、誰にでも勝てるベースとなる実力の底上げを図るようになったという。
 
 そして、着実にレベルアップを遂げてきた中で、18年の全日本選手権ではシングルスで初優勝すると女子ダブルスと混合ダブルスも制して、女子選手として史上3人目となる3冠を17歳の最年少で達成し。翌19年大会では女子として初となる2年連続3冠の偉業を成し遂げ、日本女子エースの座をつかんだ。

 この2年間は国内外の大会でタイトル獲得や決勝進出を果たすなど単複ともに目覚ましい活躍を見せて、一気にスターダムに上った。武器は、スイングが速くて対戦相手が回転を見極められない独特で多彩なサーブと、フォアハンドのスマッシュ「みまパンチ」と呼ばれるカウンターアタックなどのスピード攻撃だ。

 伊藤の卓球スタイルは、研究熱心な頭脳派で、動じないメンタリティを持っている。2年前に開幕したプロリーグのTリーグにも参加しないなど、我が道を行くタイプで、しっかりと自分の考えを言葉にでき、若くして才能を開花させた天才肌の選手と言えるだろう。

 2018年3月11日のツイッターに伊藤はこんなことをつぶやいた。
「誰に何を言われようと私は私。自分は自分。私らしく正々堂々と戦うだけ。本気で何かと闘っている人はそんなに簡単に自分に負けたりしない。何を言われても、何をされても実力がある人が勝つ。私はその実力を求めて毎日頑張る。と改めて思えた今日」
 この言葉からも、信念の人であることがうかがえる。
 

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