格闘技・プロレス

「俺はあいつよりもタフだ」ウスマン、闘犬マスビダルとの“異例の王座戦”を制して2度目の防衛成功【UFC】

THE DIGEST編集部

2020.07.12

マスビダルの勢いを殺しながら確実にダメージを与えたウスマンが見事に王座を防衛した。 (C) Getty Images

 現地時間7月11日に"ファイトアイランド"ことアブダビのヤス島で開催された総合格闘技団体『UFC』のイベント「UFC251」のメインカードとなったウェルター級の王座戦で、カマル・ウスマン(ナイジェリア)がホルヘ・マスビダル(アメリカ)を一蹴した。

 異例の決定だった。当初、ウスマンの挑戦者だったギルバート・バーンズが新型コロナウイルスの検査で陽性となり欠場が決定。そこから大会6日前にマスビダルがオファーを了承して、同階級屈指のカードが実現したのだ。

 文字通りの"犬猿の仲"と言える両雄の一戦は、初回から積極的に攻勢に出るチャレンジャーに対し、それを巧みにかわしながら要所でパンチとタックルを繰り出して消耗させようとする王者という構図で進行する。

 ラウンドが進むにつれて、執拗なプレッシャーを受け続けて疲労の色が濃くなっていったマスビダル。一方で、じわじわと挑戦者を追い込んでいったウスマンは、幾度となくテイクダウンを奪取。相手の持ち味である勢いを完全に潰し、優勢に試合を運び続けた。

 派手な打ち合いにはならなかったものの、王者の巧者ぶりが光った試合は、最終5Rまでを行なった末の判定の結果、3-0(50-45、50-45、49-46)でウスマンが"宿敵"マスビダルを一蹴した。
 
 トータルでマスビダルの88発を大きく上回る263発もの打撃を繰り出して、王座防衛とUFC12連勝を飾ったウスマンは、フラッシュインタビューで次のようにコメントした。

「マスビダルはこの階級でも一番危険な相手だ。それは分かっていた。実際、急遽決まった試合だったが、あいつはしっかりと準備をしてくれたし、あいつはあいつなりの強さを見せた。でも、言い訳はできない。マスビダルがタフなのは分かっているが、今日、俺はあいつよりもタフだったことを証明した」

 盤石の試合運びで"闘犬"を退けたウスマンが、改めてその強さを示してみせた。

構成●THE DIGEST編集部
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