モータースポーツ

「重要なことは立ち上がって次に進むこと」MotoGPマルク・マルケスが右腕の手術成功を報告

甘利隆

2020.07.23

マルケスが右上腕骨の手術を終えたことをSNSで報告。今シーズンの復帰は難しいと噂されたが、一刻でも早く戻りたいようだ。(C)Getty Images

 7月19日に決勝レースが行なわれたスペインGPでハイサイドを喫し、右上腕骨を折る重傷を負っていたマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)が、バルセロナの病院でチャビエル・ミル医師の執刀で手術を行ない、無事成功した。

 当初、橈骨(とうこつ)神経の損傷も疑われていたが、幸い神経に問題はなく、骨折した上腕骨は、チタン製のプレートと数本のボルトで固定された。

 2020年シーズンは絶望か? とも一部で囁かれていたが、次戦アンダルシアGPを欠場し、8月7日~9日に開催されるチェコGPでの復帰を目指すと見られている。

 手術後、マルケスは自身のSNSを通じ、病院のベッドの上から世界中のファンに向けて「皆さんこんにちは! 手術がうまくいき、フィーリングも良くなりました! ミル博士と彼の医療チームに感謝します。これからの回復を楽しみにしています! 励ましのメッセージをありがとう!」と投稿した。

 心配していたファンたちからは「世界中の多くの人が、怪我からすぐ回復し、サーキットで再びレースをできるように応援しています。マルクのいないレースは楽しくありません!」「ブルノに戻ってきて、チャンピオンシップへの道が開けることを願っています。あなたならそれができると信じています。早い回復を祈っています!!」「神経が損傷していなくて良かったです!」といった応援の声が寄せられた。
 
 スペインが誇る絶対王者は、病院に運ばれた直後にも「時々、期待通りに進まないことがありますが、最も重要なことは、立ち上がって次に進むことです。カムバックを楽しみにしていてください! できるだけ早く戻ってくると約束します」と力強い声を届けている。

 今回のリタイア及び次戦欠場で、マルケスは出場した場合に獲得が予想された40~50ポイントを失うことになるが、2019年には史上最多となる420ポイントを獲得し、ランキング2位のアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ミッション・ウィノウ・ドゥカティ)にこちらも史上最多となる151ポイント差を付けてチャンピオンに輝いている。

 今季は前年の19レースより6戦少ない全13レースとなり、かなり条件は厳しくなるが、復帰後、昨シーズン並みの走りを見せれば5年連続でのタイトルに決して手が届かないとは言い切れないだろう。果たしてディフェンディングチャンピオンにとってこのシーズンは、どんなものになるのだろうか。

文●甘利隆
著者プロフィール/東京造形大学デザイン科卒業。都内デザイン事務所、『サイクルサウンズ』編集部、広告代理店等を経てフリーランス。Twitter:ama_super

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