ファビオ・クアルタラロ（ペトロナス・ヤマハ・SRT）の開幕2連勝で幕を閉じたMotoGP アンダルシアGPだが、その一週間前のスペインGPでのクラッシュで最大25. 98Gに及ぶ衝撃を受けて右上腕骨を折り、手術を済ませたばかりのマルク・マルケス（レプソル・ホンダ・チーム）が出場を目指し、開催地となるスペインのヘレス・サーキット‐アンヘル・ニエトに再び姿を現したことには驚かされた。

　ただ現れただけではなく、フリー走行でトップタイムをマークしたマーベリック・ビニャーレス（モンスターエナジー・ヤマハ・MotoGP）から1.3秒遅れで走り、決勝レースに向けて可能性を感じさせたが、「うまく走れて驚いたけど、ピットに戻って、もう一度コースに出た時、突然、腕からパワーを失ってしまった。身体の声に従った」として予選にアタックせず、出場を断念した。

　そんな慌ただしい一週間を過ごした絶対王者は自身のインスタグラムを更新し、「皆さん、おはようございます！ 元気いっぱいで新しい週をスタートしますが、まず先週の写真を楽しみましょう！」と世界中のファンに発信した。
  　投稿には、右腕の手術を執刀したチャビエル・ミル医師と一緒に写った画像やサーキット入りした際の画像に加え、腫れ上がる右腕を掲げる様子、骨を固定するチタン製のプレートが見えるX線写真もアップされた。
　
　それを見た多くのフォロワーからは「イケア（IKEA：スウェーデン発の家具量販店）のキャビネットよりもネジが多い！」「信じられない！ あなたはどこの惑星からやって来たのですか？」「男の中の男だ…」といった驚嘆の声や「マルク、より強くあれ!!」「スピーディーな回復を願っています。再びサーキットに戻ってくるのを待ちきれません！」「これまで以上に強くなり、シーズンの残りはスペクタクルです。あなたを嫌い​​な人にあなたの成功を見せてやりましょう！」」といった励ましのコメントが殺到。およそ55万件の“いいね！”が集まった。

　アンダルシアGPでのメディカルチェックで医師団を前にして腕立て伏せを数十回繰り返すなど、すでに鉄人ぶりを見せつけているマルケスだけに、復帰が予想されているブルノ・サーキットで開催される次戦チェコGPへの出場は問題ないだろう。決勝レースが行なわれるのは８月９日だ。

文●甘利隆
著者プロフィール／東京造形大学デザイン科卒業。都内デザイン事務所、『サイクルサウンズ』編集部、広告代理店等を経てフリーランス。Twitter：ama_super

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